1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

3000m障害の三浦龍司に競技勧めた恩師は病室からエール…「自己ベスト更新して最高の結果を」

読売新聞 / 2024年8月3日 11時42分

 パリ五輪の陸上男子3000メートル障害に出場する三浦龍司選手(22)を少年時代に指導した恩師の男性が、パリでの活躍を励みに、下半身が不自由になった大けがから立ち直ろうとしている。入退院を繰り返す男性は「自己ベストを更新して最高の結果を見せてほしい」と病室からエールを送る。(高木文一、松江支局 佐藤祐理)

 島根県浜田市の 上ケ迫 かみがさこ定夫さん(70)。元陸上選手で、地元の「浜田ジュニア陸上教室」で子どもたちに教えていた。三浦選手とは小学1年の時に出会い、走り方の基本を教えた。可能性を広げようと、走り高跳びやハードル、投てきなど様々な種目に挑戦させたという。

 徐々に頭角を現し、1000メートルやハードル走で好記録を残すように。上ケ迫さんは「スピードと、ハードルを軽く跳び越えるバネを組み合わせれば面白いことになる」と考え、3000メートル障害への挑戦を勧めた。

 読みは的中した。陸上の強豪・洛南高(京都)に進んだ三浦選手は、高校記録を塗り替えるなど才能を開花させた。19歳で東京五輪に出場し、予選で日本記録を更新。決勝で7位となり、日本勢初の入賞を果たした。

 上ケ迫さんは昨年2月、自宅近くの果樹園で、伐採しようとした木が背中に直撃し、下敷きになった。一命を取り留めたが、背骨が折れて下半身が動かせなくなった。歩けない自分に絶望し、落ち込んだ。

 そんな時、元気をくれたのは三浦選手だった。「体調はどうですか」と、気遣うラインのメッセージが何通も届いた。今年1月には、帰省した三浦選手が陸上教室に参加し、「パリ五輪を目指します」と宣言する姿を見て刺激を受けた。

 落ち込んでばかりいられないと、車いすで病院の周りを走ったり、教え子たちとバドミントンに挑戦したりと、できることを増やした。「パラリンピック出場を目指すぐらいの気持ちでリハビリを頑張る」と意気込んだ。5月に三浦選手がパリ五輪代表に内定し、自身もさらに奮い立った。

 けがとの闘いは続いている。事故の影響で異所性骨化を誘発し、股関節に新たな骨ができた。7月に手術を行い成功したが、五輪は病室からの応援になる。

 三浦選手には「自己ベストを目指せ」と伝えた。陸上教室の頃から変わらないアドバイスだ。「大切なのは、自分を超えていくこと。パリで頑張っている三浦に届くように、精いっぱいの応援をしたい」と話した。

 三浦選手は5日夜(日本時間6日未明)、予選に挑む。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください