東京２３区内の熱中症死者、７月は６年ぶり１００人超え…６０歳以上が９割超

猛暑日となった都心では、道路標識が揺らぐように見えた（７月２９日午後、東京都新宿区で）＝西孝高撮影

　東京２３区内で７月に確認された熱中症死者数は前年同期比２８人増の１２３人（速報値）に上り、７月としては２０１８年以来、６年ぶりに１００人を超えたことが、東京都監察医務院への取材でわかった。６０歳以上が９割超で、屋内でエアコンを使わずに過ごしていた高齢者の死亡が目立った。

　都監察医務院によると、１２３人のうち１２１人は屋内で死亡していた。このうち７９人はエアコンを使用しておらず、２８人はエアコンが室内に設置されていなかった。年齢別では８０歳代が４４人と最多で、７０歳代が４１人、９０歳以上が２１人、６０歳代が１２人、５０歳代が４人、４０歳代が１人だった。

　東京消防庁によると、７月は熱中症患者の搬送が相次ぎ、救急出動件数が前年比２５９２件増の９万１６１４件（速報値）に上り、統計が残る１９３６年以降で最多だった。

　３日も各地は猛烈な暑さとなり、高知県四万十市では３９・８度を観測した。全国９１４地点のうち、３５度以上の猛暑日となったのは今年最多の２９２地点（午後８時現在）。気象庁などは３７都府県に「熱中症警戒アラート」を出した。同庁によると、８月前半は広範囲で厳しい暑さが続き、熱中症の危険性が高い状態が続くという。

　都内では、八王子市で３５・３度、都心で３４・６度を記録し、東京消防庁によると、午後３時現在で１８～９８歳の男女３６人が熱中症の疑いで救急搬送された。多摩市では３日正午過ぎ、４０歳代の男性が路上で倒れ、重篤な状態という。東京消防庁などは「こまめに水分補給し、室内ではエアコンや扇風機を使ってほしい」と呼びかけている。