柔道団体のセルビア戦は日本が４－１で勝利、パリでも「ウルフタイム」再び…準決勝進出に導く

パリ五輪・柔道混合団体準々決勝で、セルビアの選手（下）に勝利した阿部一二三（３日、パリで）＝関口寛人撮影

　パリオリンピックで３日、柔道混合団体が行われ、日本代表は準々決勝でセルビア戦に４－１で勝利し、準決勝に駒を進めた。

　第１試合は男子７３キロ級。日本は６６キロ級の阿部一二三（パーク２４）が出場した。相手選手も６６キロで体重は互角の一戦。左手で相手の袖口をつかむ得意の形で優位に試合を運ぶと、技ありを２回奪い、合わせ技一本で日本が先勝した。

　第２試合は女子７０キロ級で新添左季（自衛隊）が登場。相手のマリツァ・ペリシッチは５７キロ級の選手。２階級上で体重面では優位の新添。相手の粘りに手を焼く場面もあったが、内股で豪快に一本を奪った。スコアは２－０に。

　第３試合は男子９０キロ級で永瀬貴規（旭化成）が出場。８１キロ級で金メダルの永瀬は階級が上の相手を組み手で圧倒。指導を誘う巧妙な戦いを披露した。延長戦の末、相手に３つ目の指導が与えられ、永瀬は反則勝ち。対戦成績は３－０になった。

　第４試合は女子７０キロ超級。初戦に続いて高山莉加（三井住友海上）が畳に上がった。素根輝（パーク２４）を負傷で欠くため、この階級は厳しい戦いとなり、開始早々、技ありを奪われ、その後も続けて技ありを奪われて敗れた。チームは３－１に。

　第５試合は男子９０キロ超級でウルフ・アロン（パーク２４）が登場。指導を２つ与えられ、苦しい展開。試合途中でおでこから出血し、治療する苦難の道のりだったが、終盤で技ありを奪って逆転。勝負強く、終了間際や延長戦で力を発揮する「ウルフタイム」。東京五輪で何度も見せつけた底力。パリでも「ウルフタイム」再び。チームは４－１で勝利し、準決勝進出となった。

　第６試合にエントリーされていた舟久保遥香（三井住友海上）を温存しての勝ち上がりとなった。（デジタル編集部）