1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

世界の競技人口多いエペで体格差も克服…日本フェンシングにパラダイムシフト起こすか[三宅諒の目]

読売新聞 / 2024年8月3日 20時9分

男子エペ団体で決勝進出を決めて喜ぶ(左から)加納虹輝、見延和靖、山田優、古俣聖(2日)=池谷美帆撮影

 パリ五輪のフェンシングは2日、男子エペ団体決勝で、前回東京大会からの連覇を狙った日本(加納虹輝=JAL、見延和靖=ネクサス、山田優=山一商事、古俣聖=本間組)がハンガリーに延長戦の末に25―26で敗れ、銀メダルとなった。加納は男子エペ個人で金メダルに輝いており、今大会2個目のメダル。フェンシング日本勢のメダルは、加納の金、女子フルーレ団体の銅に続いて3個目となった。

[三宅諒の目]

 敗れた日本の中で加納の存在感は強烈だった。準決勝ではリザーブの古俣が逆転された直後に登場して再逆転。チームが勢いづき、古俣も重圧から解放された。仲間をリードする理想のエースの姿だった。

 頭からつま先までの全身が「有効面」で、腕の長さなど体格にも左右されるエペはフルーレ、サーブルのように「優先権」もない分、ルールがわかりやすい。世界では競技人口が他の2種目に比べて圧倒的に多い人気種目で「キング・オブ・フェンシング」とも言われる。国際大会では、フルーレが夕方には予選が終わるのに対して、選手数が多いエペは夜の11時頃まで続いているということもざらだ。

 私が子供の頃、身長で海外勢に劣る日本人がエペでメダルを取ることは絶対にないと思っていた。だが今回、日本の選手は全員が徹底的に自分の得意な展開に引きずり込み、身長差の不利を克服してみせた。

 日本国内では初心者や子供は伝統種目と言われるフルーレから始める人が多かいがそれも変わるのではないか。東京の金からつないだ銀メダルは、日本フェンシングにとってそれほど大きなパラダイムシフト(劇的な変革)といえる出来事だ。(ロンドン五輪男子フルーレ団体銀メダリスト)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください