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早田ひな「練習は不可能を可能にする」実践…「金メダルを取るよりも価値のある銅メダル」

読売新聞 / 2024年8月3日 22時7分

卓球女子シングルスで銅メダルを獲得した早田ひな(3日、パリで)=池谷美帆撮影

 パリオリンピックの卓球女子シングルスは3日、3位決定戦が行われ、早田ひな(日本生命)が韓国の申裕斌(シン・ユビン)に4-2(9-11、13-11、12-10、11-7、10-12、11-7)で勝利し、初出場のオリンピックで銅メダルを獲得した。

 努力の天才が意地を見せた。卓球女子シングルスの3位決定戦に臨んだ早田ひな選手(24)。4歳から通った卓球教室に掲げられている「練習は不可能を可能にする」との言葉を実践し、高みを目指してきた。ラケットを握る左腕の痛みに耐えながら、銅メダルをつかみ取った。(高木文一)

 早田選手が卓球の基礎を身につけたのは、北九州市の卓球教室「石田卓球N+」。石田真行さん(71)と、妻の千栄子さん(71)が指導を担う。

 真行さんによると、北京、ロンドンの2大会に出場した岸川聖也さん(37)ら実力者を輩出してきた教室で、ずばぬけて卓球が上手だった印象はないという。

 違ったのは、卓球を学ぶ姿勢だった。納得するまでサーブを打ち続け、強豪選手の映像を見て体の動きを学んでいた。「コツコツと積み重ねることを惜しまない。努力を継続する才能があった」

 小学3年の時、真行さんは「オリンピック選手になりたいなら、毎日走りなさい。牛乳も1日1リットル飲んで、体を大きくしなさい」と指示した。早田選手はその通りに実行。練習で学んだことや課題は逐一、ノートに書き込んでいた。

 「普通なら投げ出してしまうことも、この子ならできる」。素質を見抜いた真行さんは、早田選手が将来、中国人選手に勝てる武器を身につけさせようと、強力なドライブを教え込んだ。

 「世界で渡り合う選手を育てるには、年間1300時間の練習が必要だ」。夫婦は、国際卓球連盟会長を務めた荻村伊智朗氏の教えに従い、練習に勝るものはないと考えてきた。早田選手もそうした環境で力を付け、五輪での活躍を自然と目標に据えるようになった。

 東京大会は、「みうみま」と呼ばれる同世代の平野美宇選手(24)、伊藤美誠選手(23)に一歩及ばなかった。補欠となった経験が自身を奮い立たせ、パリの代表選考レースでは2番手を引き離して独走した。

 新たなエースとしての自覚を持って臨んだ舞台でアクシデントに見舞われた。左腕に感じた痛みがひかず、棄権も考えた2日の準決勝で世界ランク1位の中国人選手にストレート負け。悔し涙をこぼした。

 3位決定戦。左腕にテーピングをし、強烈なドライブを繰り出して勝利をたぐり寄せた。「金メダルを取るよりも価値のある銅メダルだと思う」。自身に言い聞かせるように話した。

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