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EU、ハンガリーに「脱ロシア」圧力…露産原油輸入「代替調達先の確保を」

読売新聞 / 2024年8月4日 10時44分

 【ベルリン=中西賢司】ロシアからの原油輸入をウクライナが妨げているとして、親露国ハンガリーが欧州連合(EU)に仲裁を求めた。EUは取り合わず、ハンガリーに代替調達先の確保を求めた。原油禁輸の例外扱いを2年以上続けてきたハンガリーに「脱ロシア依存」を迫ったものだ。

 ロイター通信によるとウクライナが6月下旬に露石油大手ルクオイルに制裁を科したため、ウクライナのパイプラインを経由した原油の供給が停止したとハンガリーは訴えている。EUは2022年5月、ウクライナを侵略したロシアからの原油禁輸で原則合意したが、反対した内陸国ハンガリーなどに譲歩し、パイプライン経由の原油輸入は一時的に例外扱いとした。

 米紙ポリティコによると、ハンガリーは依然、原油輸入の7割をルクオイルなど露産に依存し、備蓄が底をつけば9月に電力不足に陥るとの危機感を抱いている。

 ウクライナの措置にはロシアの軍費調達に打撃を与えつつ、自国への軍事支援に反対するハンガリーに意趣返しする意図がにじむ。ロシアは原油輸出で昨年は1120億ドル(約17兆円)を稼いだとの試算もあり、「ウクライナの領土通過を許すのはばかげている」(国会議員)との声がある。

 英紙フィナンシャル・タイムズによると、ハンガリーが仲裁を求めたEUの執行機関・欧州委員会は書簡で「ロシアの化石燃料からの脱却を積極的に進めるべきだ」と指摘。欧州委報道官も1日、クロアチアのパイプラインを使ってロシア以外の国からの輸入を検討すべきだと述べ、仲裁に入らない考えを示した。

 ハンガリーと欧州委との関係は、ビクトル・オルバン首相の独断の訪露などで険悪化している。ハンガリー側は「加盟国のエネルギー安全保障が脅かされているのにブリュッセルは沈黙を保っている」として、裏で糸を引いているのは欧州委だと反発を強めている。

 ハンガリーは天然ガスもロシアに依存する。EUの制裁対象とはなっていないが、ウクライナがパイプライン通過を認める期限は年末に切れる。ウクライナは延長を否定しており、ハンガリーとの「エネルギー摩擦」は激化しそうだ。

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