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三浦龍司が決勝進出の「サンショー」とは…走って跳んで、水濠まで越える過酷な障害物競争

読売新聞 / 2024年8月7日 17時0分

男子3000メートル障害で決勝進出を決めた三浦龍司(左から2人目、8月5日)

 パリオリンピックの陸上は、7日(日本時間8日未明)の男子3000メートル障害決勝に日本記録保持者の三浦龍司(SUBARU)が登場する。8分12秒41で予選を突破して2大会連続の決勝進出だ。

 縮めて「サンショー」と呼ばれる3000メートル障害競走は、ハードルのような障害物を28回、 水濠 (すいごう)を7回も跳び越える過酷なレースで、走力、跳躍力、体幹の強さなど、様々な要素が求められる過酷な「障害物競争」だ。競技の特徴、魅力はどんなところにあるのか。

 「3000メートルSC」と表記されるが、「SC」とは「Steeple(教会などの尖塔)chase(追いかける)=障害物競走」の略だ。その昔、外国で教会から隣町の教会まで人や馬が競争をする時に途中の柵など障害物を跳び越えていったことが始まりと言われる。

 出場する選手には、走力だけではなく、障害を越える跳躍力や、強い衝撃の着地に耐える力が必要で、空中で姿勢がぶれないように体幹を鍛えておくことも大事だ。

 ハードルは、男子が高さ91・4センチで女子が76・2センチ。400メートルハードルと同じ高さだが、幅が広くて倒れないという点で異なる。最初は楽に跳べても、後半はだんだんきつくなる。ハードリング技術の高い海外の選手は足をかけずに跳び越えていくこともある。集団の後方では前の選手の転倒に巻き込まれる危険もあり、隠れて見えなかったハードルが急に視界に現れることもある。なるべく前の方を走るほうが良い。

最深部で70センチもある水濠

 激しく水しぶきが上がる 水濠 (すいごう)通過は見ていて面白い。水深はハードル脇の一番深いところで70センチにもなる。傾斜になっていて水がなくなる場所までは3メートル60ぐらいだ。7回も越えるので体力を消耗するが、水の部分に着地して次の一歩で出るぐらいが理想的だという。

 うまく障害を越えるコツについて元日本記録保持者の岩水嘉孝さん(2004年アテネ五輪、08年北京五輪代表)は「短距離種目のハードルと違って倒れないので怖さを感じるが、その恐怖心をなくすこと。(障害の)直前で失速すると踏み切り位置がハードルに近くなって越す時の重心が上方にはね上がり、タイムロスにつながる。速度を落とさずに遠目から踏み切って越えていくことが大事」と話している。

 順天堂大で箱根駅伝も走った三浦は21年の東京オリンピック7位で、日本勢でこの種目初、長距離トラック種目では21年ぶりの入賞をつかんだ。昨年の世界選手権では6位となり、順調にステップアップしてパリ五輪を迎えている。(編集委員 千葉直樹)

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