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M&A仲介手数料の総額、買い手と売り手へ説明を義務付け…高額請求トラブル防ぐ狙いで業界団体

読売新聞 / 2024年8月5日 5時0分

 企業の合併・買収(M&A)を手がける仲介業者が加盟する「M&A仲介協会」は、9月に自主規制ルールを改定し、仲介手数料に関する情報公開を強化する。買い手と売り手から受け取る仲介手数料の総額を、双方に説明するよう会員企業に義務づける。中小企業の後継者不足で事業承継に伴うM&Aが増える中、高額な手数料を請求されるトラブルが相次いでいるためだ。

 少子高齢化に伴う後継者不足やコロナ禍による業績悪化などで、事業承継は増えている。国が設置した「事業承継・引継ぎ支援センター」によると、2023年度の相談者数は2万3722人、M&Aによる第三者への事業承継は2023件で、ともに過去最高だった。

 M&A仲介業務は、免許制度がないため新規参入が容易で、中小企業庁に登録しているだけで約2800事業者に上る。

 事業承継のM&Aでは、仲介業者は買い手と売り手の双方から手数料を受け取ることになる。強引な営業で中小企業の経営者に、膨大な手数料を要求するトラブルが増えている。継続的な取引を見込める買い手と癒着する業者もいるとみられ、相手方に事業を譲渡する中小企業は不利になりがちだ。

 協会は21年に発足し、仲介業者や地方銀行など107社が加盟している。自主規制ルールの改定では、契約時に、買い手と売り手から受け取る仲介手数料の総額や支払時期、算定の根拠、最低額などを示すことを義務づける。契約後に増額する場合は、事前に理由を説明することも求める。相手方から受け取る手数料の説明もさせるのは、一方の当事者を優遇したり、手数料が高額になったりするのを防ぐ狙いがある。

 協会は情報開示が不十分な業者については、社名の公表や除名を検討する。中小企業庁と連携し、M&Aの実務能力を認定する資格制度の創設も目指す。

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