女子ボクシング性別騒動「66キロ級がヘビー級と戦うようなもの」 元世界王者がIOC痛烈批判
J-CASTニュース / 2024年8月4日 12時58分
騒動の渦中にいるケリフ(ケリフのインスタグラムより)
プロボクシング元WBA世界フェザー級王者のバリー・マクギガン氏(64)が、パリ五輪女子ボクシングで起こっている「性別騒動」について、国際オリンピック委員会(IOC)を痛烈に批判した。英紙「デイリー・ミラー」(ウェブ版)が2024年8月2日に報じた。
今大会のボクシング競技はIOCが運営
騒動の発端となったのは、8月1日に行われた女子66キロ級2回戦だ。イマネ・ケリフ(アルジェリア)が、アンジェラ・カリニ(イタリア)に1回46秒で棄権勝ちしたことが世界的に波紋を広げた。
試合開始からケリフの強打がさく裂し、カリニはパンチに耐え切れず、わずか46秒で棄権を申し出た。
試合後、ケリフがカリニのもとに歩み寄るも、カリニは反応せず。その後、キャンバスに膝をつけて号泣した。
複数の海外メディアによると、ケリフは23年に行われた世界選手権のDNA検査で、XY染色体を持っていることが判明し、出場権をはく奪された。
同選手権は国際ボクシング協会(IBA)が主催したが、組織内でのスキャンダルなどでパリ五輪の運営から外された。このような経緯で、今大会のボクシング競技はIOCが運営している。
「選手自身に罪はない。生まれつきのものは仕方がない」
デイリー・ミラーによると、マクギガン氏は2回戦でケリフが圧勝した試合の内容について、「彼女(カリニ)は口への一撃であ然とし、2発目のパンチが鼻にヒットした。彼女の顔を見れば、ショックを受けているのがわかる。ウェルター級(66キロ級)がヘビー級と戦うようなものだ」と語ったという。
そして、「選手自身に罪はない。生まれつきのものは仕方がない」とした上で、怒りの矛先をIOCに向けた。
「オリンピックは頭を下げるべきだ。『左フック』と『釣り針』の区別もつかず、根本的な間違いを犯している。IOCは明らかに何もしようとしない。これは恥ずべきことであり、私たちのスポーツ(ボクシング)に大きなダメージを与えている」
騒動の渦中にいるケリフは、3日に行われた準々決勝でアンナルツァ・ハモリ(ハンガリー)に判定勝ちをし、銅メダル以上を確定させた。6日に行われる準決勝でチャンチェーム・スワンナーペン(タイ)と対戦する。
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