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五輪に沸くパリで…「警察が突然来て追い出された」野宿者の立ち退き加速、中心部を避け散り散りに

読売新聞 / 2024年8月5日 7時15分

パリで取材に応じるジュリアンさん(7月25日)=松久高広撮影

 【パリ=松久高広】五輪に沸くパリで、フランス当局が野宿者の立ち退きを加速させている。支援団体は「居場所がつかめず、支援の手が届きにくくなっている」と懸念を強めている。

100人以上のテント群一斉撤去

 パリの新設会場「アディダス・アリーナ」に近い橋の下で五輪開幕直前の7月中旬、100人以上が暮らすテント群が一斉に撤去された。当局は落書きを隠すために橋脚にカラフルな垂れ幕を飾り、ガード下に巨大なブロックを敷き詰めた。テントを張れないようにする措置とみられる。

 支援団体「メダルの裏側」によると、パリと周辺で立ち退きを受けたのは4月までの1年で1万2545人に上る。例年より4割多いという。その一人、ジュリアンさん(17)は「朝、警察が突然やってきて手荒く追い出された」と振り返る。

 当局はパリから離れた10都市に一時避難所を新設したが、地方での入所を拒む人もいる。支援団体によると、五輪期間中は大勢の警察官らがパリで警備に当たる中、野宿者は強制的な立ち退きを避けるため、競技場が集まる中心部を避けて散り散りに身を潜めてしまっているという。支援団体のベネディクト・マラバル氏は「野宿者が散り散りになって訪問支援が難しくなった」と話す。

 野宿者は移民が多く、社会で孤立しがちだ。ジュリアンさんも仏語圏のアフリカ西部コートジボワールから「良い教育」を求めて昨年パリに来た。いまは滞在日数が限られる一時避難先を転々としながら、入学に必要な法的手続きを進める不安定な生活を送っている。

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