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エチゼンクラゲ、15年ぶり大量発生…対馬沿岸では一つの定置網に3000匹も

読売新聞 / 2024年8月5日 12時39分

漁船に引きあげられたエチゼンクラゲ(美津島町漁協提供)

 大型のクラゲ「エチゼンクラゲ」が、長崎県・対馬の沿岸に大量に押し寄せている。一つの定置網に1日で約3000匹も入っていたとの情報があり、大量発生は15年ぶりとされる。8月に入ってからクラゲの量が減ってきたとの情報もあるが、漁業者は、捕獲した魚が傷つけられるなどの被害を懸念している。(島居義人)

 エチゼンクラゲは中国近海で生まれ、海流に乗って夏から秋にかけて日本海へたどり着く。大きいものはかさの直径が約2メートルで、重さは150キロ程度に達する。寿命は1年ほどで、太平洋側に抜けて死滅するとされる。大量発生は、海面温度の上昇や海の富栄養化などが原因とみられている。

 大型クラゲの出現情報をまとめている一般社団法人・漁業情報サービスセンター(東京)などによると、対馬周辺で今季初めてエチゼンクラゲが確認されたのは6月下旬。島の沿岸部に設置された複数の定置網に入っていた。7月にはある定置網で、1日で最大3000匹ほどが見つかったという。

 同センターでは、一つの漁網に500匹程度が入った場合を「大量発生」としている。対馬周辺では2009年、漁網に5000匹も確認されたことがあったという。

 対馬市豊玉町の漁師(74)は「朝になって網の中を見るとエチゼンクラゲが入っている。今のところ捕獲した魚への影響はないが、今後が心配だ」と懸念する。同市美津島町の漁師(55)は「破られた網を修復するには手間も費用もかかる」、同町の水産業者は「網を修復しても、またすぐに破られるのではないかと心配」と悲鳴を上げる。

 県対馬水産業普及指導センターは「当面は被害の発生状況を把握し、漁業者に注意を呼びかけたい」としている。

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