ウクライナ国旗示す青・黄のアイメイク「別の方法で戦うことを示したい」…女子走り高跳び「金」のマフチフ、活躍する姿は抵抗の象徴
読売新聞 / 2024年8月5日 10時36分
パリ五輪の陸上は、4日の男子100メートル準決勝で、日本のサニブラウン・ハキーム(東レ)は自己ベストの9秒96をマークしたが、3組4着、全体10位となり、1932年ロサンゼルス大会で6位だった吉岡隆徳以来、92年ぶりの決勝進出を果たせなかった。決勝はノア・ライルズ(米)が、9秒79で激戦を制した。女子走り高跳びは、ヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)が2メートル00で金メダルを獲得した。
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母国にささげる勲章を獲得した。女子走り高跳び決勝でマフチフは2メートルを一発でクリア。続く2メートル2を豪州選手が跳べずに優勝が決まった。「ウクライナを守る人々のためにメダルを獲得したことを伝えたい」。同胞で銅のイリーナ・ゲラシチェンコと国旗をまとい、スタジアムを1周した。
東京五輪は銅。2022年から母国がロシアの侵略を受け、国旗を表す青と黄のアイメイクを施してきた。「決して諦めず、別の方法で戦うことを人々に示したい」と世界で活躍する姿は抵抗の象徴ともなってきた。
競技者としては苦しさが募る。「競技に集中することは不可能。家族や友人が国のために戦っているのだから」。それでも家族を故郷に残し、ベルギーで練習。オフは爆発音が響く母国東部に戻る。23年世界選手権を制しても助走の歩数を増やすなど足を止めず、今年7月には37年ぶりに世界記録を更新する2メートル10をマークした。
「限界はない」。尽きない探究心と、ウクライナの人々の思いは、大舞台で確かに示された。(井上敬雄)
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