作家の大崎善生さん死去、６６歳…「聖の青春」「パイロットフィッシュ」

作家の大崎善生さん

　「聖の青春」などの将棋にまつわるノンフィクションや、恋愛小説で活躍した作家の大崎善生（おおさき・よしお）さんが３日、下咽頭がんで死去した。６６歳だった。告別式は近親者で行う。喪主は妻で将棋女流棋士の高橋和（たかはし・やまと）さん。

　日本将棋連盟の職員として将棋雑誌の編集を担当。雑誌「将棋世界」編集長だった２０００年に、早世した天才棋士・村山聖九段の生涯を描いた「聖の青春」でデビュー。同作は新潮学芸賞を受けるなど、大きな反響を呼んだ。翌年には棋士を目指す「奨励会」の若者たちを扱った「将棋の子」で、講談社ノンフィクション賞を受けた。

　恋愛小説の名手としても知られ、０２年に「パイロットフィッシュ」で吉川英治文学新人賞にも輝いた。１２年に親交があった作家・団鬼六の虚実を織り交ぜた生涯を掘り下げた「赦す人」を刊行した。