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走り高跳び「金」、ウクライナ選手が国旗掲げ「私たちは強い」…サーブル団体でも祖国思い奮闘

読売新聞 / 2024年8月5日 21時26分

女子走り高跳びで金メダルを獲得し、国旗を掲げるウクライナのヤロスラワ・マフチフ(4日)=三浦邦彦撮影

 パリ五輪ではロシアから侵略を受けるウクライナの選手たちが祖国への思いを胸に躍動している。4日の陸上では、女子走り高跳びでヤロスラワ・マフチフ選手(22)の金などウクライナ勢がメダル三つを獲得した。マフチフ選手は「国を守る人々のためのメダルだ」と話した。(井上敬雄、佐野司)

 前回の東京五輪銅メダリストで7月に2メートル10の世界記録を樹立したマフチフ選手は、4日の決勝では2メートル00を一発でクリア。豪州の選手と並んだが、試技数の差で頂点に立つと、リュックにしまっていた国旗を掲げた。この種目では同胞のイリーナ・ゲラシチェンコ選手(29)も銅を手にした。マフチフ選手は「多くの選手が亡くなった。彼らは競技に出ることも、優勝を祝うこともできない。(メダルは)それら全てのアスリートに贈られる勲章でもある」と肩を震わせた。

 2022年、早朝の爆発音で母国への侵略が始まったことを知った。マフチフ選手はわずかな現金を持って戦火を逃れ、それ以降は欧州を転々とする。現在の練習拠点はベルギーだが、オフのわずかな時間は家族が残るウクライナ東部の故郷に戻る。友人は最前線で戦っているという。競技を通じて、「私たちが強いことを、国の独立のために戦っていることを示したい」と、誓いを新たにした。

 ウクライナ勢で今大会のメダリスト第1号となったのは、フェンシング女子のオリガ・ハルラン選手(33)。7月29日のサーブル個人戦で銅メダルを獲得した。昨年の世界選手権ではロシア出身選手と対戦後に握手を拒み失格となったこともある。海外で調整している自分を含め、ウクライナ代表が苦悩を抱える現状も伝え、「自分の国が戦時下にある時に競技をするのは本当につらい。このメダルが出場する全てのウクライナ選手を勇気づけられたらいい」と話した。8月3日にはサーブル団体で、チームの金メダル獲得に貢献した。

 欧州メディアによると、ウクライナ代表の選手数は約140人。ロシア侵略の影響で夏季五輪ではこれまでで最も少ない。

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