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大技より美しさと正確性で減点回避、「3冠」岡慎之助の原動力…20歳「慎ちゃん」にパリで貫禄

読売新聞 / 2024年8月6日 1時24分

男子種目別鉄棒の決勝で演技する岡慎之助(5日、パリで)=武藤要撮影

 パリオリンピックの体操は競技最終日の5日、種目別決勝4種目が行われ、男子鉄棒で岡慎之助(徳洲会)が14・533点で金メダルを獲得し、団体総合、個人総合と合わせて「3冠」に輝いた。体操で日本選手が1大会に三つの「金」に輝くのは、1972年ミュンヘン大会の加藤沢男以来。鉄棒では前回東京大会の橋本大輝(セントラルスポーツ)に続く日本勢の連覇となった。岡は、平行棒でも15・300点で銅メダル。平行棒で日本勢が表彰台に立つのは、2004年アテネ大会「銀」の冨田洋之以来。平行棒で谷川航(セントラルスポーツ)は6位、鉄棒で杉野正尭(徳洲会)は7位だった。

 出場8選手のうち6人が落下や転倒の大失敗を犯し、思わぬ展開で手に入れた種目別鉄棒の金メダル。岡は「何か喜びづらいっていうか……」と戸惑ったような笑顔を見せた。ただ、引け目を感じる必要はない。自身を表彰台の真ん中に導いたのは、派手な大技よりも美しさと正確性を重視する姿勢。それも徹底的に信念を貫くスタイルだった。

 演技の難しさを示すD得点は、予選が5・9。これは決勝に進んだ8人の中でキプロス選手と並び最も低かった。実は既にG難度の「カッシーナ」を習得しており、決勝は6・3点の構成で勝負に出ることも可能だった。「一か八か」「ダメで元々」「当たって砕けろ」――。そんな文字は岡の辞書になかった。

 「(国内の)代表選考後に入れるつもりだったんですが、『ミスのない演技を固めよう』となりました」。五輪切符を手に入れても、ひたすら成功の確率を上げ、減点を回避するための練習に没頭した。五輪の決勝は迷うことなく5・9点の構成で臨んだ。

 これに先だって出場した平行棒の決勝でも、D得点は8人のうち4位だった。一方、E得点は2位。結果は銅メダルだ。岡自身の言う鉄棒での「奇跡」の予兆はあったわけだ。

 年上の代表仲間に「慎ちゃん」とかわいがられた20歳の王者。「新しく歴史を刻めたのかな。(海外でミスのない試合について)謎の自信もちょっとあります」。顔つきに、少し貫禄が備わってきた。(大舘司)

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