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秘書給与疑惑 公金詐取は国民への背信だ

読売新聞 / 2024年8月6日 5時0分

 またしても「政治とカネ」の問題が発覚し、あきれた人は多いはずだ。政治不信の増幅にどう歯止めをかけるのか。与野党の責任は重い。

 自民党の広瀬めぐみ参院議員が公設秘書の給与をだまし取っていた疑いが浮上した。2022年末から23年夏にかけて、勤務実態のない人を公設第2秘書として登録し、国から数百万円の秘書給与を自ら受け取っていたとされる。

 東京地検特捜部は詐欺容疑で関係先を捜索した。広瀬氏は自民党を離党した。

 第2秘書は広瀬氏の公設第1秘書の妻で、岩手県内の社団法人で働いていた。広瀬氏は第1秘書に対し、第2秘書の給与を自分に渡すよう指示していたという。

 広瀬氏は、第2秘書は土日に地元で送迎や事務作業をしていたと主張している。だが特捜部は、勤務実態が秘書というには程遠く、違法性を指摘されるのを防ぐためのアリバイ作りとみている。

 公金の詐取が事実なら、国民への背信行為だ。断じて許されない。しかも広瀬氏は弁護士であり、自身の行為の違法性は容易に認識できたに違いない。自ら出処進退を判断するのが筋だろう。

 与野党を問わず、過去には多くの国会議員が秘書給与の詐取で摘発された。02年には、社民党衆院議員だった辻元清美氏が責任を取って議員辞職し、翌年に逮捕されて有罪となった。

 当時は秘書の給与を議員事務所の口座などに振り込ませ、議員が流用する手口が政界で横行していた。再発防止のため与野党は04年に法改正し、公設秘書の給与は秘書本人に支給する形に改めた。

 与野党は法律の抜け穴を封じる手立てを講じる必要がある。

 国会議員の不祥事は後を絶たない。自民党の堀井学衆院議員(比例北海道)は、道内の有権者に自分名義の香典を秘書らを通じて渡していたとして先月、特捜部の捜索を受けて離党した。

 立憲民主党の梅谷守衆院議員(新潟6区)は今年2月、選挙区内の町内会行事で日本酒を配っていたことが発覚した。

 過去には、香典や線香セットを配った議員が摘発された。政治家であれば、有権者への寄付が公職選挙法で禁じられていることくらい分かっているはずだ。

 自民党の派閥の裏金事件を含め、国会議員の規範意識の低さは目に余る。与野党とも議員教育を徹底するとともに、不正があった場合には公認の取り消しや除名など厳しい措置をとるべきだ。

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