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79回目の広島原爆忌、岸田首相「核軍縮の機運を高めるべく国際社会を主導していく」

読売新聞 / 2024年8月6日 11時36分

平和記念式典で原爆死没者慰霊碑に献花する人たち。暑さ対策として今年から通路部分に天幕が張られた(6日午前8時12分、広島市中区の平和記念公園で)=吉野拓也撮影

 広島は6日、79回目の原爆忌を迎えた。広島市中区の平和記念公園では、平和記念式典(原爆死没者慰霊式・平和祈念式)が営まれ、被爆者や遺族らが犠牲者の 冥福 めいふくを祈り、核兵器廃絶への思いを新たにした。松井一実市長は平和宣言で「国際問題を解決するためには武力に頼らざるを得ないという考えが強まっていないだろうか」と問題提起。世界各国の指導者に対話の重要性を訴えた。

 式典には、被爆者や遺族、岸田首相らが参列。核保有国や欧州連合(EU)代表部のほか、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を続けるイスラエルの駐日大使が出席した。一方、ウクライナを侵略するロシアや、同国を支援するベラルーシは招待されなかった。

 原爆が投下された時刻の午前8時15分、遺族代表が「平和の鐘」をつき、参列者全員で1分間の黙とうをささげた。

 平和宣言で松井市長は、長期化するロシアのウクライナ侵略や中東情勢の悪化などで国際情勢が緊迫する中、対話の重要性を強調。ロナルド・レーガン元米大統領と会談を通じて東西冷戦を終結に導いたミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領の言葉を紹介し、「希望を胸に心を一つにして行動を起こそう。そうすれば、核抑止力に依存する為政者に政策転換を促すことが必ずできる」と力を込めた。日本政府に対しては、一刻も早く核兵器禁止条約の締約国となるよう訴えた。

 岸田首相はあいさつで、「非核三原則を堅持して、『核兵器のない世界』の実現に向けて努力を着実に積み重ねていくことは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命だ」と強調。「核軍縮に向けた機運を高めるべく、国際社会を主導していく」と述べた。

 原爆死没者慰霊碑には、この1年間で死亡が確認された被爆者5079人の名前が書き加えられた名簿が奉納され、死没者は34万4306人となった。厚生労働省によると、全国で被爆者健康手帳を持つ人は今年3月末現在、10万6825人で、前年より6824人減少。平均年齢は85・58歳となった。被爆者の高齢化が進み、体験の継承が喫緊の課題となっている。

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