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身長1m86の「小さな」アタッカー西田有志、「高く跳べばいいんやろ」と逆境はね返し躍動

読売新聞 / 2024年8月6日 15時30分

 身長差をものともせず躍動した。準々決勝でイタリアに敗れたバレーボール男子。世界の強豪国の中では背が低いアタッカー西田 有志 ゆうじ選手(24)は、高く跳ぶ練習を重ねて逆境をはね返し、トップ選手に成長。気迫のこもったプレーでチームを鼓舞し続けた。(長沢勇貴)

 攻撃専門のオポジットを任されてきた。世界では2メートルを超す選手も多いが、西田選手の身長は1メートル86だ。

 先発出場したイタリア戦では、高い跳躍から鋭いサーブやスパイクを決め、得点を重ねるたびに雄たけびを上げた。「やれることは出し切った。このチームで戦えたことがうれしい」と語った。

 三重県いなべ市出身。田んぼを上半身裸で走り回るわんぱくな少年だった。5歳で競技を開始。社会人バスケットボールの経験がある父・徳美さん(56)が、ネットの上部と同じ高さになるように、自宅の天井から垂らしたチラシに向けてジャンプを繰り返した。中学では競技経験のない教員に代わり、他の部員を指導。試合ではレシーブからスパイクまで一人でこなした。卒業文集に「オリンピックにでる」と記した。

 海星高校(三重県四日市市)の2年時には世代別の日本代表に選出された。この頃、バレーボールに詳しい知人から「身長がもう10センチ高くないとフル代表は無理」と言われ、傷ついた。母・美保さん(58)に「身長のことばっかり言われる。高く跳べばいいんやろ」と怒りをぶちまけた。

 ウェートトレーニングを重ね、床でバウンドしたボールが天井に当たるほど強烈なスパイクを身につけた。そんな姿に、美保さんは「スポーツ漫画の主人公のようにたくましい息子だ」と感じていた。

 高校3年でフル代表に初選出された。その後は、東京五輪の8強入りに貢献するなど成長を続けた。

 パリ五輪を前に「反骨精神があるから今がある。身長が低くてもできるという姿を見せたい」と意気込んでいた西田選手。世界中が視線を注ぐとびきりの大舞台で、それを証明した。

 試合後、しばらく休養期間を設ける意向を示し、「次に代表に選ばれたら、自分の代わりがいないようなレベルになりたい」と飽くなき向上心をのぞかせた。

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