最も小さい人類「フローレス原人」、身長100cmの大人の骨を発見
読売新聞 / 2024年8月7日 0時0分
インドネシア・フローレス島で発見された小型の人類「フローレス原人」について、東京大などの国際研究チームは、これまでに見つかった人類化石の中で最も小さい大人の上腕骨を発見したと発表した。見つかったのは約70万年前の地層で、身長は100センチほどと推定される。研究成果は7日、科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載される。
チームによると、現代人と同程度の大きさのジャワ原人が100万年前頃に島へ渡来し、その後、小型化してフローレス原人となったと考えられている。島の洞窟にある約6万年前の地層では、世界最小となる推定身長約106センチの骨格が見つかっていた。
今回の上腕骨は2013年、島の別の地点にある約70万年前の地層で見つかった。チームは顕微鏡を使うなどした解析の結果、大人の骨で、身長はこれまでより6センチほど低い約100センチと推定している。
これまでの化石の記録では、人類は原則として進化にともなって大型化しており、フローレス原人がなぜ小型化したか議論が続いている。東大総合研究博物館の海部陽介教授(人類進化学)は「フローレス原人が孤島に渡ってから30万年以内に劇的に小さくなり、その後も小柄な体格を維持していたことがうかがえる。小型化に何らかのメリットがあったのだろう」と話している。
上腕骨のレプリカは、東京・丸の内の博物館「インターメディアテク」で開催中の特別展「海の人類史」で7日から展示される予定。
原人に詳しい国立科学博物館の馬場
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