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「たくさんの人の思いを乗せたかった」と走り続けた田中希実、もう背負わなくていいと優しい言葉も受け取る

読売新聞 / 2024年8月6日 21時34分

 パリオリンピックは6日、陸上の女子1500m予選が行われ、田中希実(ニューバランス)は4分4秒28で1組11着となったが、審判の判定で救済され準決勝に進んだ。

 女子1500メートルの田中は救済措置があったことを、報道陣から聞かされて初めて知った。残り200メートル付近で他選手と接触し、大きく減速していた。「頑張ったから、運が巡ってきたんじゃないかな。今日できなかったことを(準決勝で)やれと言われたんじゃないかな」。涙交じりで巻き返しを誓った。

 2日の5000メートル予選で敗退した際には、「目標が(5000メートルと1500メートルの)両種目で決勝に残ることだったので、自分の中で五輪が終わってしまったような気持ち」と意気消沈していた。何とか気持ちを立て直して臨んだこの日は、自身が持つ日本記録更新を目指して序盤から飛ばした。

 「私だけのためではなくて、たくさんの人の思いを乗せる走りがしたいと思った」と、接触でバランスを崩した後も懸命に腕を振り、ゴールラインを駆け抜けた。一方、テレビ解説のため現地にいる前日本記録保持者で同じ兵庫県小野市出身の小林祐梨子さんからは「もう背負わなくていいから。自分だけのために走っておいで」と優しい言葉をかけられた。

 東京五輪では、この種目で中距離日本勢93年ぶりの8位入賞。国内では孤高の存在となった田中は、人知れぬ重圧を抱えているのだろう。気持ちで走るタイプだが、思いの強さが今大会は空回りしてしまっているようにも見える。

 準決勝に向けて涙を拭い、「今日以上に自分のためにという部分も持って、たくさんの人と一緒に楽しみ尽くすレースがしたい」と前を向いた。(田上幸広)

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