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熱戦のパリ、「五輪特需」は期待外れ…サン・ルイ島のレストラン客9割減「オリンピックはこりごり」

読売新聞 / 2024年8月7日 7時9分

 【パリ=松久高広】歴史的建造物が並ぶ街中での競技開催を売りにするパリ五輪で観光客の足が想定より鈍く、「特需」を期待した飲食店などから不満の声があがっている。普段の観光客は物価高や厳しい治安対策を嫌って五輪期間中の滞在を避けているうえ、五輪観戦でパリを訪れた人々は、食事や買い物への関心は薄いようだ。

 リアッド・ジャニンヌさん(40)がセーヌ川の中州サン・ルイ島で運営するレストランは、客の入りが前年比1割程度に落ち込んだ。7月下旬の開会式直前はテロ対策で周辺の通行が制限され、式典終了後もフェンスが残り、客足は戻らない。従業員の半数に夏季休暇を取らせているといい、「五輪はこりごり」と首を振った。

 ルーブル美術館近くのカフェ店長は「五輪観戦が主目的でパリに来た人たちは、あまり店に立ち寄ってくれない」とこぼした。チュイルリー公園に設けられた聖火台目当ての客で、かろうじて例年の8割程度の客入りを維持しているという。

 仏ラジオ局「フランス・アンフォ」によると五輪開幕前後の7月24~27日にパリに到着した観光客数は約65万人。フランス人、外国人ともに前年より15%程度増えた。

 しかし、競技や関連イベントが行われている会場は、多くがコンコルド広場から西側のセーヌ川沿岸に集中する。競技会場周辺は、五輪のロゴが入ったTシャツを着た観客らで地下鉄や歩道が混雑する一方、ルーブルをはじめとする美術館や、百貨店の集まるオペラ座周辺は閑散としている。

 五輪期間中のパリ市内のホテル客室稼働率は8割程度にとどまる見通しだ。ホテル側からは「五輪で物価が高騰しているとの前評判が通常の観光客を追い払ってしまった」との声が出ている。仏紙「ル・モンド」は「五輪観戦に来た人が土産を買うために残しておく予算は、結局チケット代や民泊の費用に食いつぶされる」と指摘した。

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