Ｘ、英ユニリーバや広告業界団体を提訴「広告出稿を大幅に減少させ数十億ドルの損害」

イーロン・マスク氏＝ロイター

　【ニューヨーク＝小林泰裕】米ＳＮＳ大手Ｘ（旧ツイッター）は６日、Ｘへの広告を不当に減少させたとして、英日用品大手ユニリーバや広告業界の団体を相手取り、反トラスト法（独占禁止法）違反でテキサス州の連邦地裁に提訴した。Ｘに数十億ドルの損害を与えたとして、損害賠償を求めている。

　Ｘ側は、２０２２年１０月のイーロン・マスク氏によるツイッター買収後、ユニリーバなどが共謀してＸへの広告出稿を大幅に減少させ、広告市場への支配力を利用して消費者の選択肢を奪ったと主張している。不当な広告出稿の制限を差し止めることも求めている。

　提訴されたのはユニリーバの他、米菓子大手マース、米薬局大手ＣＶＳヘルス、世界広告主連盟など。連盟には世界の大手企業１５０社以上が加盟し、トヨタ自動車やソニーグループなどの日本企業も名を連ねる。

　マスク氏の買収後、Ｘ上では偽情報やヘイトスピーチが増加し、大手企業が相次いで広告出稿を停止した。Ｘの広告収入は大幅に減少したとみられている。