北朝鮮で洪水被害からの復旧活動に３０万人志願…実際は動員か、金正恩氏出席し出発式

北朝鮮の金正恩総書記＝ロイター

　【ソウル＝依田和彩】朝鮮中央通信は７日、北朝鮮北西部での洪水被害からの復旧にあたるため３０万人が志願したとして、 金正恩 （キムジョンウン）朝鮮労働党総書記が参加する６日の出発式の模様を写真とともに伝えた。

　実際は動員したとみられる。正恩氏は復旧に向けた指導力を示すことで民心離れを防ぐとともに、他国からの支援を受けず自力で対応できる力を対外的に示す狙いがあると韓国で分析されている。

　正恩氏は「 白頭山 （ペクトゥサン）英雄青年突撃隊」の出発式で、復旧活動は「壮大な建設大戦だ」と強調した。７月に開かれた党政治局緊急拡大会議では、軍と青年突撃隊が被災地で約４４００世帯分の近代的な住宅を建設する計画を決定したという。

　北朝鮮では中朝国境を流れる鴨緑江が氾濫し、北西部・ 新義州 （シンウィジュ）などで多くの家屋や道路に浸水被害が出た。韓国メディアは死者が１０００人以上に上ると伝えている。