ＳＮＳで女子卓球「金」の陳夢らを中傷した２９歳の女の身柄拘束…北京市の公安当局

　【瀋陽＝出水翔太朗】中国・北京市の公安当局は６日、パリ五輪卓球女子シングルスの決勝に出場した自国選手らを中傷したとして、２９歳の女の身柄を拘束したと発表した。中国では東京五輪や北京冬季五輪でもＳＮＳでの選手への中傷が問題になったが、改善の兆しは見えていない。

　３日の卓球女子シングルスの決勝は中国勢同士の対戦となった。ＳＮＳ 微博 （ウェイボー）では金メダルを獲得した陳夢選手を中傷する書き込みが相次いだ。微博は４日、「非理性的な攻撃が行われた」として、約１万２０００件の投稿を削除し、約３００のアカウントについて投稿を永久禁止するなどの措置を取ると明らかにした。

　体操の男子団体総合決勝の鉄棒で、２度落下した中国人選手も激しい中傷を受けている。米政府系のラジオ自由アジア（ＲＦＡ）は中国の経済低迷を背景に、五輪が社会に対する不満のはけ口になっているとの専門家の見方を伝えた。