あと警告1枚でペナルティーの川野将虎が順位上げ、岡田久美子が守り切る…新種目の混合競歩リレー8位入賞
読売新聞 / 2024年8月7日 23時52分
7日は女子やり投げ予選が行われ、北口榛花(JAL)が1投目で62メートル58を投げ、10日の決勝に進んだ。上田百寧(ゼンリン)も61メートル08で通過した。女子100メートル障害予選では福部真子(日本建設工業)が12秒85の1組4着となり、タイム順で準決勝に進んだ。男子走り高跳び予選の赤松諒一(西武プリンス)は2メートル27で決勝進出。新種目の混合競歩リレーでは川野将虎(旭化成)岡田久美子(富士通)組が2時間55分40秒で8位入賞した。
駅伝の中継所に駆け込むランナーのように、1区の川野が先頭と1秒差の2位に順位を上げ、2区の岡田にタッチした。「集団の後ろでは駄目。少しでも前で渡さないと」。川野の強い気持ちが体を突き動かした。男女ペアが計42・195キロを4区間で交互につなぐ、新種目の面白さが表れたシーンだった。
女子の日本は世界に後れをとっているのが現状だ。そのため、岡田と別のペアの柳井は権利があった個人種目の出場を辞退してまで、このリレーにかけてきた。2区の岡田は区間12位と苦戦したが、総合10位で3区の川野へタッチ。
川野は前を追ったが、歩型違反の警告を2枚受けた。3枚目をもらうとペナルティーゾーンに入らなければならない。「後半は勝負するというよりは、つなぐことだけの歩きになってしまった」。それでも、入賞圏内の総合8位に押し上げた。
その位置を最終4区の岡田が守り切った。「自分の力不足でかなり差がついてしまったけど、8番でゴールできたことは競技人生の中でも価値のあるレースになった」と涙を浮かべた。
川野にとっては東京大会50キロ6位に続く2大会連続の入賞。男子のみの実施だった50キロがなくなり、男女平等の観点から生まれた新種目で2人が力を合わせた。メダルほどの輝きはなくとも、日本競歩界が手にしたもう一つの勲章だ。(田上幸広)
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