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シロエビやベニズワイガニ不漁に影響か、富山湾に新たな砂の層…有害物質が増加

読売新聞 / 2024年8月11日 17時34分

 能登半島地震で起きた富山湾の環境変化を巡り、富山県水産研究所は7日、湾内で採取した 堆積 たいせき物の分析結果を発表した。海底では地滑りが原因とみられる新たな砂の層が確認され、生物に有害な物質も増えていることも確認された。シロエビやベニズワイガニの不漁にも影響したとみられる。

 同研究所は5月中~下旬に、湾内の74定点で堆積物を採取し、砂の層や成分を分析した。

 庄川・小矢部川河口の沖合、水深約400メートル地点の堆積物には新たな砂の層(約7センチ)がみられ、地滑りで堆積物が移動したことが原因とみられる。生物には有害な「硫化物」の量も調査した。「日本水産資源保護協会」は漁場に適した量を1グラムあたり0・2ミリ・グラム以下と定めるが、約2割にあたる18定点で基準値を超える量が検出された。

 また、記録的な不漁となったシロエビの幼生の分布密度も調査した。神通川河口沖(5月)では、前年同期の4%、庄川・小矢部川の河口沖(6月)では、2017年同期の60%にまで落ち込んだ。ベニズワイガニは2月にカニ籠を使って個体数を調査し、過去10年の平均は1籠あたり31・1個体だったが、今回は5・6個体にとどまった。

 同研究所の辻本良所長によると、硫化物が多い環境を好まないシロエビはより沖合に移動し、ベニズワイガニはカニが埋まったり、逃げたりした可能性があるという。調査は今後も継続し、今年度末にも最終報告をする予定だ。

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