レスリング須崎優衣「銅」、２大会連続メダル…３位決定戦で圧勝も周囲に謝罪のポーズ

　パリオリンピックのレスリングは７日（日本時間８日）、女子５０キロ級の３位決定戦が行われ、須崎優衣（２５）（キッツ）がオクサナ・リバチ（ウクライナ）に勝ち銅メダルを獲得した。連覇はならなかったが、２大会連続のメダルは確保した。（デジタル編集部）

　２度目のオリンピックは異例の展開となった。

　圧倒的な強さで頂点に立った東京オリンピック以降も、負け知らずだった須崎。日本レスリング協会によると、国際大会の優勝は２４大会連続、外国選手相手の連勝も９４まで伸ばしていたが、６日の１回戦でインド選手にまさかの敗戦を喫した。リードしていた最終盤に捨て身のタックルを受け逆転を許し、試合後のテレビインタビューでは「本当に本当に申し訳ない気持ちです。ここで終わってしまったのが信じられないです」と沈痛な面持ちだった。

　その日の夜、インド選手が決勝に勝ち上がり、敗者復活戦進出が決定。７日は日中、リバチと戦い夜の３位決定戦を目指すはずが、決勝を控えたインド選手が朝の計量で失格になり、敗者復活戦が３決に繰り上がった。

　めまぐるしい状況の変化だったが、女子レスリングの「顔」である須崎は、連敗して終わるか、銅メダルで終わるか、この試合の重みがよく分かっていた。

　右手でガッツポーズを作り、うなずきながら入場すると、引き締まった顔で相手を見つめた。

　第１ピリオド、相手の左足を取るなどして次々と加点し８－０。第２ピリオドも手を緩めず、すぐに２点を入れてテクニカルスペリオリティー勝ちした。直後に泣きそうな顔で両手を合わせ、周囲に謝罪のポーズを取った。

　テレビインタビューでは「オリンピックチャンピオンの須崎優衣じゃなかったらもう価値がないんじゃないかって思ってたんですけど、負けたにもかかわらず、こうして私に声援を送ってくれて、負けたのにこうやって信じてくれて励ましてくれた方々に感謝したいですし、そういった方々にオリンピックチャンピオンになる姿をもう一度見てもらえるように、あと４年、これからの４年頑張っていきたいと思う」と声を振り絞った。

　さらに表彰式後には、「４年後、ロサンゼルスオリンピックでは絶対に金メダルを獲得して、（２０３２年の）ブリスベンオリンピックでも絶対金メダルを取って、この銅メダルが良かったと思える日が来るまで戦い続けたい」と決意を新たにしていた。