牛舎内のエサ、クマに食い荒らされる…５回にわたり計２００キロ被害

わなを設置する猟友会のメンバー（７日、岩手県奥州市で）

　７日午前５時半頃、岩手県奥州市胆沢若柳の農業渡辺敬一さん（６４）方で、牛舎内にある牛のエサが食い荒らされているのを渡辺さんが発見し、奥州署に通報した。クマによる被害とみられ、地元の猟友会が捕獲用のわなを設置し、警戒にあたっている。

　渡辺さんによると、牛舎では今月３日以降、計５回にわたって牛のエサが食べられるなどの被害が相次いでおり、被害に遭ったエサは計約２００キロ・グラムに上る。牛舎内の牛は無事だった。

　６日朝には、体長約１・５メートルの成獣のクマ１頭が牛舎内にあった金属製の箱に頭を入れ、中に保管していたエサを食べているところを渡辺さんが目撃。クマは立ち去ったが、引き戸が壊された。渡辺さんは「エサだけだといいが、もし牛が襲われたらと思うと心配で、夜も眠れない」と不安げに話した。

　一方、盛岡市内でもクマの目撃が相次いだ。

　６日午後１０時頃、同市愛宕町の住宅街で、成獣のクマ１頭が道路を横切って中津川方面へ向かう姿を通行人が目撃した。７日午前７時４０分頃には、同市山岸の民家の裏手に体長１メートルほどの成獣のクマ１頭がいるのを住民が発見した。いずれもけが人はなかった。

　県警は、クマが川を下って市中心部でも出没する可能性が高いなどとして、注意を呼びかけている。