宮崎・日南市で震度6弱、宮崎・鹿児島・熊本で12人負傷…住民はすぐ避難できるよう準備呼びかけ
読売新聞 / 2024年8月8日 22時7分
8日午後4時43分頃、日向灘を震源とする地震があり、宮崎県日南市で最大震度6弱を観測した。気象庁によると、震源の深さは約30キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・1(推定)。同庁は、南海トラフ地震の発生可能性が平常時より相対的に高まっているとして、同地震の「臨時情報(巨大地震注意)」を初めて発表した。
同庁は、茨城から沖縄までの太平洋側を中心とした29都府県707市町村に対し、少なくとも1週間は地震への備えを再確認した上で、住民はすぐに避難できる準備をして日常生活を送るよう求めた。
臨時情報は2019年5月に運用が始まった。想定震源域で▽M6・8以上の地震▽プレート(岩板)境界の異常な「ゆっくりすべり」――などが発生した場合、臨時情報の「調査中」が発表される。その後、有識者からなる評価検討会などが大規模地震との関連性を調査し、発生場所がプレート境界で、M7以上の場合は「巨大地震注意」、M8以上の場合は「巨大地震警戒」に更新する。
気象庁は、午後5時半から臨時の評価検討会を開催。陸側のプレートと海側のフィリピン海プレートの境界の一部がずれ動き、M7以上だったことから、午後7時15分に「巨大地震注意」を出した。
気象庁は8日夜に記者会見し、評価検討会会長の平田直・東京大名誉教授は「地震が発生した直後は、大きい地震が起きる可能性が最も高い。少なくとも1週間は自治体からの指示に従って、避難経路など日頃からの地震への備えを再確認してほしい」と述べた。
◇
松村防災相は8日、今回の地震で同日午後7時半現在で計12人が負傷、家屋2棟が倒壊したと明らかにした。津波注意報が高知、愛媛、大分、宮崎、鹿児島の各県に出され、宮崎市の宮崎港では50センチの津波が観測された。
◆南海トラフ地震=静岡県の駿河湾から九州東沖に延びる「南海トラフ」で、発生が予想されるマグニチュード8~9級の巨大地震。政府の試算では、死者・行方不明者は最大23万人。南海トラフでは、約100~150年間隔で巨大地震が繰り返し起きており、30年以内の発生確率は70~80%とされる。
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