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湘南のカフェで「組みませんか」が始まりの混合ペア、セーリング20年ぶりメダル…慣れない異性との連係磨く

読売新聞 / 2024年8月8日 23時17分

パリ五輪のセーリング混合470級で銀メダルを獲得した岡田(左)、吉岡組(8日)=ロイター

 パリオリンピックで8日行われた新種目のセーリング混合470級で岡田奎樹(トヨタ自動車東日本)、吉岡美帆(ベネッセ)組が銀メダルに輝いた。日本勢のメダル獲得は、1996年アトランタ大会女子470級で銀の重由美子、木下アリーシア組、2004年アテネ大会男子470級で銅の関一人、轟賢二郎組に続き、20年ぶり3度目。予選3位の岡田、吉岡組は、上位10艇で争うメダルレースでも3位に入り、総合2位となった。優勝はオーストリアのペア。

「自分を信じるべき」

 上位10艇で争うメダルレースの開始直後、予選3位から出た日本が、大きく左に進路を取った。予選で首位のオーストリア、2位のスペインなどは右へ。かじ取り役の28歳・岡田は、決めていた。「これまでのレースで、確実に自分が選んだコースは当たっている。自分を信じるべきだ」。ライバル勢は遅れ、日本は、このレースを3位でゴール。総合順位を一つ上げ、20年ぶりのメダルをつかんだ。

 一斉に滑り出し、マークと呼ばれるブイを指定順に四つ回る。「風が左から入ってくる確率がすごく高い」(岡田)と見極め、左寄りに向かった日本は、一つ目を回った時点で、地元のフランスに続く2番手。総合2位が決まると、岡田と33歳の吉岡はガッツポーズを繰り返した。

 2021年の東京五輪は、男子、女子の種目でそれぞれ出場し、ともに7位。同年秋、2人は湘南のカフェにいた。「組みませんか」。新種目の混合で、パリ五輪の金メダルを目指そうという岡田の誘いに吉岡が応じた。だが、ともに異性とのコンビには慣れていない。翌年、スペインでのもどかしいレースの後、約4時間、思いをぶつけ合い、帆の張り方など基本的な考えが違っていたことに気づいた。

 2人は、昨年の世界選手権で優勝。パリに向けて、1メートル77の吉岡は体作りに励み、操船術を磨きあげた。1メートル70で、関係者から「風を読む天才」と呼ばれる岡田は、かみしめるように言った。「吉岡さんみたいに身長が高くて、気合がある選手は簡単には現れない。チャンスを逃さずにメダルを取ったのはすごいんじゃないか」(マルセイユ 平地一紀)

セーリング470級 船の全長が4メートル70であることが種目名の由来。船に対する適正体重が計130キロ前後で、小柄な日本勢に最も適している種目とされる。日本セーリング連盟によると、470級の国内での普及数は世界でもトップクラスという。

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