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ビール注いでも少しずつしか飲めないグラス…クラフトビールメーカー「ヤッホーブルーイング」開発

読売新聞 / 2024年8月9日 18時29分

ヤッホーブルーイングが開発した「ゆっくりビアグラス」(左)=同社提供

 クラフトビール製造・販売の「ヤッホーブルーイング」(長野県軽井沢町)は、ビールを注いでも少しずつしか飲めないユニークな形状のグラスを開発した。厚生労働省が飲酒に関する初のガイドライン(指針)を公表する中、自社が製造するビールの特長を生かしながら、健康的に末永く飲酒ライフを楽しんでもらおうと考案した。

 開発したのは「ゆっくりビアグラス」。真ん中に6ミリほどのくびれがある砂時計のような形状で、一度に飲めるビールの量が制限される。通常の350ミリ・リットル缶を飲み干すのに比べ、約3倍の時間がかかる設計で、機械を使って製造するのが難しく、全てガラス職人による手作りという。

 厚労省は今年2月、飲酒についてのガイドラインを作り、がんなどの疾患別に発症リスクが高まる飲酒量を例示し、性別や年齢に応じた注意点も示した。同社が行ったアンケート調査では、外食で6割、自宅で4割の人が想定より飲み過ぎた経験があると回答。飲むペースが早いと飲酒量が増える傾向にあり、ペースを遅らせることで適正な飲酒量を心がけられるグラス開発に着手したという。

 開発では、30種類ほどのグラスを試作し、砂時計のような形状にたどり着いた。最適な「飲みにくさ」を実現するため、くびれを1ミリ単位で調整。同時に、ビールの味わいや香りを損ねないよう模索した結果、上部は通常と同じような飲み口の形状にしたという。

 同社も製造するエールビールはぬるめの温度が味わいや香りを楽しむのに適温とされ、ゆっくり時間をかけて飲むこのグラスと特に相性が良いという。モニター調査では「いつもより味や香りを感じられた」「少量で満足感が得られた」など好意的な反応が寄せられている。

 先月、都内で記者会見した井手直行社長は「適正飲酒というと業界としては重いテーマだが、楽しくユーモアを込めてグラスを作った。健康に気を付けながら末永くビールを飲んでもらいたい」と話した。

 公式通販サイトで税込み9800円で限定10個を抽選販売する。16日まで申し込みを受け付けているが、既に2300件を超える応募があり、増産も検討していくという。都内の同社の公式ビアレストランなどでは、グラスを体験できるセットメニューも用意している。

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