石川へ贈る甲子園1勝
読売新聞 / 2024年8月9日 5時0分
第106回全国高校野球大会第2日の8日、1回戦3試合が行われた。大阪桐蔭(大阪)の中野が興南(沖縄)相手に今大会完封一番乗りを果たし、春夏連覇校同士の対決を制した。小松大谷(石川)は16安打8得点で明豊(大分)に打ち勝ち、甲子園初勝利。2部制で夕方から始まった第3試合は、京都国際(京都)が札幌日大(南北海道)に快勝し、4強入りした2021年以来の白星を挙げた。
小松大谷8―4明豊
小松大谷は1点を勝ち越された直後の七回、田西の2点三塁打で逆転し、東野が適時打で続いた。八回にも3連打などで2点を加え、突き放した。明豊は終盤の好機で決定打が出なかった。
小松大谷 足で逆転
小松大谷の走者は果敢にスタートを切っていった。
一回無死一塁。2番石浦がバットを振り出す直前、一塁走者の山崎が走った。二ゴロになったが、併殺を免れて二塁へ。敵失で三塁へ進むと、東野の適時打で先制のホームを踏んだ。四、六回の攻撃でも、走者が次の塁を狙って動いた。
積極的な走塁が、窮地で生きた。1点を追う七回無死一、二塁で、
打撃練習で走塁や打球判断を磨き、走力も鍛えてきた。この日は足で相手にプレッシャーをかけ続けたことで、明豊の捕手・石田は「すごく神経を使った。自分たちのペースを乱されてしまった」と疲弊していた。石浦は「走塁は意識を高く、毎日練習しているので自信がある」と胸を張った。
初出場から39年、3度目でつかんだ甲子園1勝。1月の能登半島地震で揺れを経験した田西は「地元のみんなも喜んでいると思う。元気を与えられて、うれしい」。持ち味を発揮して初白星を挙げたチームは手応えを得て、大舞台での2勝目を目指す。(古島弘章)
小松大谷・西野監督「浮いた球を打とうと選手たちに伝えたことが七回の集中打につながった。先発の西川は粘り強く投げてくれた」
明豊の主砲 緩急に苦戦
明豊の4番船見は1安打に終わり、「好機を作りたかった」と唇をかんだ。3点を追う一回、2点二塁打を放ったが、2打席目以降は緩急を使って攻めてくる相手投手陣を打ちあぐね、先頭で迎えた五、七回も凡退。大分大会は全5試合で先制して勝ち上がってきただけに、「この夏になかった展開で苦しい試合だった。2年生は、この悔しさを来年にぶつけてほしい」と後輩に思いを託した。
明豊・川崎監督「(満塁機を逸した四回は)勝負強さを出せなかった。(先発の)野田は終盤も球自体は悪くなかったが、相手の粘り強さが上だった」
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