デルタ航空「これほどの規模の業務中断は容認できない」…クラウドストライクとＭＳに少なくとも７４０億円請求へ

マイクロソフトのロゴ＝ロイター

　【ニューヨーク＝小林泰裕】７月１９日に発生した世界的なシステム障害を巡り、米デルタ航空は８日、障害の原因となった米セキュリティー大手クラウドストライクとマイクロソフト（ＭＳ）に対し、少なくとも５億ドル（約７４０億円）を請求する方針だと発表した。

　発表によると、デルタ航空は障害から５日間で計約７０００便が欠航するなど、業務が混乱した。２４年７～９月期決算に３億８０００万ドルの直接的な影響が出る見通しという。エド・バスティアン最高経営責任者（ＣＥＯ）は「これほどの規模の業務中断は容認できない」との声明を出した。

　障害は、クラウドストライクがＭＳの基本ソフトウェア「ウィンドウズ」向けにサイバーセキュリティー対策のソフトウェアの更新を実施したことがきっかけで発生。重大な欠陥が含まれたまま作業が実施された結果、ウィンドウズ端末約８５０万台が影響を受け、世界的に混乱が広がった。