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「南海トラフ臨時情報」制度の狙いや心構えは?…避難の準備は「素振り」、「備え」のきっかけに

読売新聞 / 2024年8月9日 11時30分

制度設計に関与、福和伸夫・名古屋大名誉教授に聞く

 南海トラフで巨大地震が発生する可能性が高まったとして発表された「南海トラフ地震臨時情報」。運用は2019年に始まったが、政府の中央防災会議作業部会で制度設計に携わった福和伸夫・名古屋大名誉教授に、制度の狙いや、どのように生かすべきかを聞いた。

 ――なぜ作られたのか。

 「南海トラフ沿いの東海地震について国は予知を前提としていたが、東日本大震災を予測できなかったことで、現状では確度の高い短期的な予知が困難であることは明白になった。ただ、南海トラフ沿いでは過去に、大きな地震が続けて発生したことがわかっている。そこで、大きな地震が起きた時に、さらなる地震への事前対策を呼びかける仕組みが作られた」

 ――臨時情報(巨大地震注意)では、1週間は地震への備えを再確認し、すぐに避難できる準備をして日常生活を送るよう呼びかけている。

 「社会や経済、暮らしや命に与える影響が大きいため、非常に悩んだし、作業部会でも様々な意見が出た。マグニチュード(M)7以上の後、1週間以内にM8級以上の巨大地震が起こる可能性は数百回に1回程度で、情報が発表されても地震が発生しない『空振り』は当然起きる。ただ、それは無駄ではなく、実際に巨大地震が起きた場合に避難行動するための、『素振り』と捉えるべきだ」

 ――なぜ1週間なのか。

 「巨大地震発生の確率がゼロになるからではなく、避難が1週間を過ぎると体調を崩したり、社会活動の維持が難しくなったりすることを考慮して決まった」

 ――どうすればよいのか。

 「情報を今後の防災にどう生かすかが重要だ。帰省や旅行を取りやめるのではなく、旅先のハザードマップを確認することを習慣にするといったことだ。お盆で家族が集まるなら対策を話し合うとか、家具を固定するなどの備えを進めるきっかけにしてほしい」

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