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110m障害5位の村竹ラシッド「ものすごく楽しかった」「メダル現実味」…選手紹介では「ジョジョ立ち」も披露

読売新聞 / 2024年8月9日 11時53分

男子110メートル障害で5位に入った村竹ラシッド(左)(8日)=武藤要撮影

 【パリ=読売取材団】第33回夏季五輪パリ大会は第14日の8日、陸上男子110メートル障害で日本勢初の決勝に臨んだ村竹ラシッド(22)(JAL)は、5位入賞と健闘した。

 世界と互角に渡り合えることを証明した。陸上男子110メートル障害で、日本人で初めて決勝の舞台に立った村竹ラシッド選手(22)。終盤、激しく競り合って5位に食い込み、「ものすごく楽しかった」と充実の表情を浮かべた。

 勝負の場に臆することなく臨んだ。入場時の選手紹介では、人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の登場人物をまね、左手を顔にかざすポーズでおどけて見せた。

 静まりかえったスタジアムに号砲が鳴ると、勢いよく飛び出した。ハードルに脚をぶつけても、うまく立て直して加速。電光掲示板で順位とタイムを確認すると、笑顔がはじけた。

 父はアフリカのトーゴ人。千葉県松戸市の中学で陸上を始め、地元だからという理由で進んだ松戸国際高では、2年時まで無名の選手だった。指導した小島秀幸さん(67)は「強そうに見えるけど、あっちが痛い、こっちが痛いと言うばかりで、練習する姿をほとんど見なかった」。

 一定のリズムを刻んで走るハードル走が合っていると感じた小島さんは、目標を明確にし、練習メニューをきちんとこなすように指示。村竹選手も、記録を更新する楽しさを感じるようになり、3年の時には全国高校総体で優勝した。

 順天堂大では、二つ先輩で、パリ五輪にも出場した泉谷駿介選手(24)と 切磋琢磨 せっさたくま。小島さんは「常に先を行く泉谷選手の存在が刺激になったのは間違いない」とみる。

 大きな挫折を味わったのが、東京五輪の切符をかけた2021年の日本選手権だ。決勝でフライングしてしまい、失格。レースの映像を見ることができないほど落ち込んだ。東京五輪では補欠となり、国立競技場で見ていた。

 22年の世界選手権では予選敗退と世界の壁にはね返されたが、気持ちを切らすことなく練習し、今年6月の日本選手権を制した。「無力感が執念となり、パリまでつなげてくれた」

 決勝の前、小島さんに「思い切ってやります」とLINEのメッセージが届いたという。テレビで観戦した小島さんは「世界から最も遠いと言われたハードル走で、ラシッドが素晴らしい走りを見せてくれて誇らしい」と目を細めた。

 結果に満足はしていない。「メダルがより現実味を帯びた。この3年間は無駄じゃなかった。もっともっと強くなれる」。来年9月に東京で開かれる世界選手権でのメダル獲得を次の目標に据えた。「(海外勢に)逆襲してやりたい」。新たな情熱をたぎらせている。

(高木文一)

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