「身長差の不利」固定観念を打ち破った村竹ラシッド、海外選手とは互角以上の「後半型」…快挙にも「喜んでいいのか」
読売新聞 / 2024年8月9日 12時6分
パリ五輪の陸上は8日、男子110メートル障害決勝が行われ、村竹ラシッド(JAL)は13秒21で5位に入った。同種目で日本勢初の入賞。グラント・ホロウェー(米)が12秒99で金メダルに輝いた。
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男子110メートル障害はかつて、100メートルよりも世界との差が大きいと考えられていた。100メートルでは「暁の超特急」と呼ばれた吉岡隆徳が、1932年ロサンゼルス五輪で6位に入っている。しかし、高さ106・7センチのハードルを越えていく110メートル障害は、身長差の不利が大きい――。そんな固定観念を村竹が打ち破ってくれた。
身長1メートル79はファイナリストの中では小柄に見える。それでも、磨き続けてきた高い技術で滑らかなハードリングを見せた。順大時代から指導する山崎一彦・日本陸連強化委員長は「特徴は後半、海外の選手と互角に、または互角以上に戦えるところ」と指摘する。同じく山崎氏の指導を受け、昨年の世界選手権で5位に入った泉谷駿介(住友電工)と同様に、後半型のレースパターンが武器だ。
ただし、村竹はレーススタイルの完成度について「40%ぐらい。まだまだだなと思った。日本国内では出来ても、こういう舞台だとすごく難しい」と反省した。この日は7台目を越えた時点では3位だったが、終盤に順位を落としてしまったからだ。
障害を含む短距離種目で、吉岡の6位を抜いて日本勢過去最高の5位。その快挙にも、「喜んでいいのか分からない。ちょっと中途半端な順位なので」と満足はしない。「中盤からの加速をより安定させられれば、メダルを取れる実力もついてくる」。まだ22歳。自らの伸びしろを、しっかりと自覚している。(田上幸広)
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