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藤波朱理、7年前の大敗が伝説の原点…父親に「タックルしようと思ったけど」「抱きつきにいっちゃった」

読売新聞 / 2024年8月9日 12時23分

 パリ五輪のレスリングは8日に行われた女子53キロ級で、藤波朱理(日体大)が、金メダルに輝いた。決勝でルシア・ジェペス(エクアドル)にテクニカルスペリオリティー(テクニカルフォールから改称)勝ちし、公式戦の連勝を137に伸ばした。

     ◇

 金メダルに輝いた藤波が真っ先に駆け寄ったのは、セコンドを務める父、俊一さん(59)だった。勢いよく飛びつくと力強く抱き留められ、わき上がる万感を分かち合う。「タックルしようと思ったけれど、抱きつきにいっちゃった。ありがとうと伝えたかった」

 五輪の決勝でも、中学2年から公式戦136連勝中の強さは変わらない。長い腕を巧みに操り、相手の足を取る高速タックルでエクアドル選手を圧倒した。第1ピリオドを6―0で折り返すと、わずか3分37秒で10―0のテクニカルスペリオリティー勝ち。2人で育んだ「常に攻めるレスリング」を見事に体現した。

 国体優勝経験のある俊一さんと兄の影響で、4歳で競技を始めた。手痛い敗北の記憶が伝説の原点だ。2017年6月、全国中学生選手権の決勝で1学年上のライバルに5点差で大敗。7か月前の大会でも完敗だった相手だから、悔しさはひとしおだった。

 「勝ちたい。もっと強くしてください」。試合後、涙ながらに父に頼み込み、基礎練習の日々が始まった。

 俊一さんは負けず嫌いな娘の性格を知っていたが、どんなに厳しいメニューを課しても徹底して取り組む姿に、「強くなりたい」という揺るぎない意志を感じて驚いた。「娘の夢にとことんつきあう」と誓ったあの日から、連勝記録は続く。

 興奮さめやらぬまま「オリンピック最高! レスリング最高! 今までやってきてよかった!」と喜んだ藤波。いちずに強さを求めた少女が、父と二人三脚で五輪王者に上りつめた。(佐野司)

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