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海水浴場が閉鎖・列車運休、「気をつけながら旅行楽しみたい」…「巨大地震注意」観光地にも影響

読売新聞 / 2024年8月9日 15時36分

閉鎖された海水浴場(9日午前、和歌山県白浜町で)

 南海トラフ地震の臨時情報の「巨大地震注意」が初めて発表されて一夜明けた9日、注意の対象地域では、住民が自主避難したり、海水浴場を閉鎖したりするなど、対応に追われた。気象庁は、今後1週間程度は巨大地震発生の可能性が高まっているとして、備えを呼びかけている。

 最大震度6弱を観測した宮崎県日南市は、防災無線やSNSなどを通じて、食料や水などの備蓄品の準備や避難路の確認などを住民に呼びかけている。同市の沿岸部にある鵜戸神宮では、複数の灯籠が倒壊し、参道に亀裂が入るなどした。地震発生を受け、東京から宮崎に戻ったという黒岩昭彦宮司(61)は「灯籠が倒れたというのは聞いたことがない。臨時情報が出ていることもあり、より念入りな注意をしていく」と話した。

 国内最大の34メートルの津波が想定される高知県黒潮町では8日夜、計29か所の避難所を開設し、自主避難した住民3人が一夜を過ごした。

 同町は1週間程度、職員が泊まり込む警戒体制をとる。野村晃稚・健康福祉課長は「お年寄りや車いすの人たちは避難に時間がかかる。町が目指す『一人の犠牲者も出さない』を実現させる」と力を込めた。

 数分で津波が到達するとされる和歌山県白浜町では、町内の海水浴場が閉鎖された。9日も早朝から遊泳を楽しもうとする観光客がいたが、町職員らが現地に出向き、海から上がるよう呼びかけた。

 家族5人でこの日朝に到着したという神戸市の小学5年の男児(10)は、足を少し海につけて引き返した。「午前中はお父さんと海で遊ぶ予定だったから、残念。ホテルもお昼まで入れないので、今からどこに行くか、家族会議をします」と語った。

 近鉄特急が止まる駅近くにある複合リゾート「志摩スペイン村」(三重県志摩市)は海に近く、担当者は「海に近い行楽地を避ける人もいるだろうし、運休で入園者数にも少なからず影響は出るだろう」と心配した。

 東京・羽田空港では、大きな旅行カバンを持った家族連れの姿が多く見られた。前橋市の会社員の女性(72)は長女と孫2人の計4人で鹿児島県の種子島などを訪れる。8日の地震で種子島は20センチの津波が観測されたため一時はキャンセルするか悩んだが、現地の宿泊施設から「安全」と伝えられたため向かうことにした。女性は「到着したら避難場所を確認したい。地震に気をつけながら旅行を楽しめれば」と話した。

 JR東海は、東海道新幹線の一部区間で徐行運転を実施しており、切符をすでに予約や購入している人に対し、無料で変更や払い戻しに応じる。JR東日本と小田急電鉄は、一部区間で徐行運転しているが、9日朝の通勤ラッシュ時に大きなトラブルや混乱はなかったという。

 最大6・2メートルの津波が想定される徳島市では、阿波おどりが11~15日に開催される。昨年は54万人が訪れており、主催する実行委員会は8日夜、予定通り実施することを決めた。

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