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赤崎、メダルを狙うなら前が落ちてくるのを待つ手も[武井隆次の目]

読売新聞 / 2024年8月10日 16時49分

 パリオリンピックは10日、陸上の男子マラソンがスタート。日本勢は小山直城(ホンダ)、赤崎暁(九電工)、大迫傑(ナイキ)の3人が出場し、レースは終盤に入った。赤崎がメダルを狙える位置につけている。パリ市庁舎をスタートして、中心部の観光名所を巡った後、郊外のベルサイユ宮殿を経て市街に戻るルートで行われ、中盤と終盤に急坂が待つ設定は五輪史上最もタフなコースと言われる。注目のレースを、早稲田大時代に箱根駅伝で活躍し、2002年アジア大会男子マラソン銅メダリストの武井隆次さんが解説する。

 25キロ通過で赤崎が集団のトップに立った。レース前の記者会見では「坂対策をしてきたので集団から離れないように」と話していたそうだが、その準備とプラン通りの展開だ。

 「坂の練習」と一口に言うが、上りと下りで使う筋肉も違うし、脚の筋力に負担がかからないような前傾姿勢の角度や、どのくらいの歩幅で、接地はどうするか、などを綿密に考えるものだ。

 大迫は離されてきた。かなり体がぶれてて、調子のよい時にはこういう走り方はしない。

 28キロ過ぎ、コース最大の難所となる最大勾配13・5度の急坂に入った。エチオピアの選手が前に出て、赤崎も4番手で坂を上り切った。30キロは5番手で通過。

 上り切ってからの急で長い下り坂は、ゴールまでまだ10キロあり、勾配に任せて下りると脚をやられそうだ。ゆっくり下りた方がいいが、金メダルを狙うなら、ここで先頭を追わなればいけないところ。難しい判断だ。銀、銅メダルを狙うのなら、前の数人が落ちてくるのを待つ手もある。

たけい・りゅうじ 1971年生まれ。東京・国学院久我山高で高校初の5000メートル13分台をマーク。早大時代は箱根駅伝で4年連続区間賞(1区、1区、4区、7区)、うち3度が区間新記録で、同期の花田勝彦、櫛部静二と並び「三羽がらす」と呼ばれた。卒業後はエスビー食品で2002年びわ湖毎日マラソンを2時間8分35秒で優勝。02年アジア大会男子マラソン銅メダル。引退後はエスビー食品のコーチ、監督を歴任。現在は「したまちアスリートクラブ」の監督として小、中学生を中心とした後進ランナーの指導にあたっている。

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