トヨタ、認証不正対策で「社内審査官」を新設…国交省に再発防止策を提出

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　車の量産に必要な「型式指定」の認証不正を巡り、トヨタ自動車は９日、国土交通省に再発防止策を提出したと発表した。社内試験を第三者的な立場でチェックする「社内審査官」の新設や、認証業務に携わる人員を現状の約４００人から１割程度増やすことが柱だ。信頼回復に向け、今後は実効性が問われる。

　トヨタは７月末、国交省から道路運送車両法に基づく初の是正命令を受け、１か月以内に再発防止策を提出するよう求められていた。佐藤恒治社長は提出後の９日午後、報道陣の取材に応じ、「法規認証の全体像に対する理解が甘かった。現場に依存したプロセスになっていた」と述べた。

　再発防止に向け、認証作業が現場任せになっていた反省を踏まえ、社内審査官を数人新設し、試験に立ち会わせる。試験データの人為的な書き換えを防ぐ仕組みの導入も検討する。経営責任に関しては、２０２４年度の報酬を決める過程で議論するという。トヨタは今後、再発防止策の実施状況を３か月ごとに国交省へ報告する必要がある。

　一連の不正による生産停止の影響などで、トヨタの足元の国内販売は落ち込んでいる。佐藤氏は「経営と現場の両軸で多くの課題があった。役割や責任を明確化し、会社としてしっかりと管理体制を整えていく」と話した。