レスリング男子フリー７４キロ級、高谷大地が準決勝進出…兄・惣亮さんの後追い五輪で躍動

男子フリースタイル７４キロ級の初戦でキューバの選手（下）に勝利した高谷大地（９日）＝関口寛人撮影

　パリオリンピックのレスリングは９日、男子フリースタイル７４キロ級が行われ、昨年の世界選手権「銅」で初出場の 高谷 (たかたに)大地（２９）（自衛隊）が初戦の２回戦でキューバ選手を破り、３回戦ではセルビアの選手も退け同日の準決勝に進出した。。

　１回戦、高谷は右手を突き上げ、気勢を上げて入場。キューバ選手を相手に序盤から攻め２点を先制、さらに２点。右足をつかんで背後を取り２点を加え６－０で折り返した。第２ピリオドも勢いは止まらず連続して得点し無失点で１０点差をつけ、テクニカルスペリオリティー勝ちした。

　２回戦も第１ピリオドから攻勢。２点先制後も次々と加点し６－０。最後は相手を担ぎ上げて加点し、今度は第１ピリオドでテクニカルスペリオリティー勝ち。観客席に向かってガッツポーズをしてみせた。

　兄・惣亮さんは２０１２年ロンドン大会から前回東京大会まで３大会連続でオリンピックに出場した。それに対して、高谷はなかなか世界で結果を残せず、２０２２年の世界選手権も３回戦敗退。

　その悔しさを糧に、パリオリンピック代表入りへの最初のチャンスとなった昨年９月の世界選手権で銅メダルを獲得しパリ切符をつかんだ。表彰式を終えると感触を確かめるようにメダルを触り、「僕がこんなものを持てると思っていなかった。ほんまに現実なのか、とふわふわしている感じ」と語った。

　しかし、この日は終始落ち着いた戦いぶりで、勝てばメダルの準決勝に順調に駒を進めた。