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藤波朱理、「ぶっつけ本番」でも驚がくの強さ…導いた「女王」伊調馨とのスパーリング

読売新聞 / 2024年8月10日 0時0分

女子53キロ級決勝でエクアドルの選手(右)を破り、金メダルを獲得した藤波朱理(8日)=関口寛人撮影

 8日に行われたパリオリンピックのレスリング女子53キロ級で、藤波朱理(日体大)が決勝でルシア・ジェペス(エクアドル)を下し、金メダルに輝いた。

 最高峰のマットで圧倒的な強さを披露した新女王に、会場中から驚きと称賛の拍手が送られた。表彰台に上がった藤波は両手を上げ、軽く跳びはねながら一回りして応える。五輪の舞台で見せた実力は際立っていた。

 1、2回戦でフォール勝ちを収め、東京五輪銀メダルの中国選手との準決勝をテクニカルスペリオリティーで制した。決勝の相手は、昨年9月の世界選手権で勝利したものの7失点を喫し、再戦を待ちわびていたエクアドルのジェペス。距離を取ってタックルを封じるなどの対策をしっかり立て、この日は10―0と力の差を見せつけた。

 今年3月の練習で左肘の 靱帯 じんたいを断裂し、人生で初めて手術を経験。リハビリ期間は体幹中心の筋力トレーニングに励み、8キロの減量を経て、パリ五輪にぶっつけ本番で臨んだ。「『もうだめかもしれない』と考えた時もあったけれど、この瞬間、自分を輝かせるための経験だったと思う。これ以上の絶景はない。最高です」と、苦難を乗り越えてつかんだ優勝の味をかみ締めた。

 武器は長い腕を生かした高速タックル。加えて、コーチとしてセコンドにつく父俊一さん(59)は、相手に足を触らせない守りのセンスも評価する。「小さい頃はタックルに入っても非力でつぶされた。だったら触らせないという意識で防御も強くなった」と、攻守に隙のない選手に育った背景を語る。

 もう一つ見逃せないのが、「女王」の薫陶だ。五輪4連覇を成し遂げ、日体大外部コーチも務める伊調馨(40)から、日々のスパーリングで血の通った指導を受けている。藤波は「今も本当に強い。馨さんからポイントを取れたら、世界中のどの53キロ級の選手からだって取れる」とレジェンドの教えに感謝する。

 中学2年で始まった連勝は、これで「137」まで伸びた。20歳の最強伝説はこの先、どこまで続くだろうか。(佐野司)

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