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南海トラフ臨時情報、お盆前の観光地困惑…宿泊キャンセルや海水浴場閉鎖も

読売新聞 / 2024年8月10日 0時0分

南海トラフ地震の「臨時情報」発表を受けて、遊泳禁止となった大堂津海水浴場。ビーチへの入り口は防潮扉が閉められていた(9日午後、宮崎県日南市で)=秋月正樹撮影

 南海トラフ地震への注意を呼びかける初の「臨時情報(巨大地震注意)」が発表されたことを受け、対象となった地域では9日も、自治体などが警戒を続けた。観光地では宿泊予約のキャンセルが相次いでおり、帰省などで人の移動が増えるお盆休みを前に、各地に影響が広がっている。

ツアー中止

 「こんぴらさん」で親しまれる金刀比羅宮がある香川県琴平町の旅館「ことひら温泉 琴参閣」では、今月10~17日に入っていた計50室ほどの予約がキャンセルされた。高木将暢営業部長は「今年は予約が順調だっただけに残念だ」と話す。

 また、和歌山県白浜町や宮崎県日南市は、地震が発生するとまもなく津波が到達する恐れがあるなどとして、海水浴場を閉鎖した。

 旅行会社や交通機関も対応に追われた。旅行ツアーを企画する「クラブツーリズム」は、臨時情報の対象地域のうち、関東から九州の沿岸部などに限り、10~15日に宿泊を伴うツアーの中止を決めた。JR各社は、8日以降の切符を予約・購入した人に対し、手数料を取らずに予約の変更や払い戻しに応じている。

 一方、高知市では9日、夏の風物詩となっている第71回よさこい祭りが開幕した。安全対策を徹底した上で予定通りに開催するものの、参加予定だった188チームのうち、4チームが辞退したという。

購入制限

 防災グッズや非常食などをそろえるホームセンターでは、午前中から商品を求めて多くの客が訪れた。

 大阪市福島区の「コーナン福島大開店」では、携帯用トイレや生活用品などをまとめた防災バッグが次々と売れ、従業員が陳列棚の補充に追われた。同店の担当者は「モバイルバッテリーなども売れている。必要な商品を置けるように最大限の努力をする」と話す。

 ただ、防災用品などが品薄になる店も出ている。

 三重県桑名市の「カインズ桑名店」では8日以降、来客数が通常の2~3倍に増え、飲料水やカセットボンベなどが品切れとなった。同市に住む宮本哲也さん(64)は「洋服だんすの転倒防止のポールを買いたかったが品切れだった」と話した。

 イトーヨーカ堂は9日から、首都圏などの一部店舗でミネラルウォーター(2リットル)の販売を1家族につき12本までに制限した。

津波想定地域、避難も

 南海トラフ地震による津波が想定される地域などでは、住民らが万一に備え、自治体が開設した避難所に身を寄せた。

 高知県によると、9日午後7時30分現在、高知市や黒潮町など18市町村に計78か所の避難所が設置され、12人が避難している。

 黒潮町が福祉避難所に指定している「あったかふれあいセンターにしきの広場」には、車いすで生活する一人暮らしの90歳代女性が避難した。女性は「町の勧めもあり避難した。家が心配だけれど、避難所はやっぱり安心できる」と話した。

 8日に最大震度6弱を観測した宮崎県日南市は、市民の不安が高まっているとして、避難所の開設を1週間ほど延長することを決めた。高橋透市長は「巨大地震はいつ来てもおかしくない。心配な人は避難してほしい」と呼びかけている。

 一方、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所で11日に予定していた観測ロケット「S520」34号機の打ち上げを延期すると発表した。新たな打ち上げ日は決まり次第発表する。

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