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ブレイキンの聖地・川崎の通路で磨かれた美学、埼玉から通った湯浅亜実…どの瞬間を「写真で切り取られても美しく」

読売新聞 / 2024年8月10日 12時27分

ブレイキン女子で金メダルを獲得し喜ぶ湯浅亜実(右から2人目)(9日、パリで)=松本拓也撮影

 パリ五輪のブレイキン女子が9日に行われ、湯浅亜実(ダンサー名AMI)が金メダルを獲得した。湯浅は1次リーグC組を3戦全勝で首位突破。準々決勝でフランス選手を3―0、準決勝はオランダ選手を2―1で破った。決勝ではリトアニアのドミニカ・バネビッチ(同NICKA)に3―0で勝ち、新競技の初代女王となった。福島あゆみ(同AYUMI、BODYCARNIVAL)は準々決勝で敗退した。

     ◇

 日本ブレイキン界の「聖地」と言われる川崎市の通路で磨かれた美学が、湯浅を新競技の頂点に押し上げた。表彰式後も「まだ実感がなくて、ちょっとずつ自覚してくるんだろうな」と夢見心地の様子だったが、決勝トーナメントでは終始力の差を見せつけた。

 準々決勝は、地元の声援を浴びるフランス選手相手に危なげなかった。女子では珍しく背中で風車のように回る「ウィンドミル」を途中で止めて逆回転させるなど、高精度の演技を披露する。相手はダイナミックながら技の完成度が低く、3―0で完勝した。

 世界選手権優勝経験者同士の対戦となった決勝は、1ラウンド目からバネビッチが限界を迎えたのか、同じ特徴の技を出すご法度の「リピート」。対照的に湯浅は回転技から寝そべるように移行したり、背中で跳びはねたりとバリエーション豊富にみせた。このラウンドは9人の審判のうち「技の多様性」で7人、「完成度」で6人が湯浅を支持。 趨勢 すうせいは決まった。

 埼玉から川崎に通った小中学生時代。師匠の石川勝之コーチに「どの瞬間を写真で切り取られても美しく」とたたきこまれた。同じ技を繰り返すのも「格好悪い」と口を酸っぱくして言われ、ダンスは洗練されていった。

 本人も「1個1個の技に自信があるわけではない。でも、きれいな流れ、つなぎの細かい部分にこだわるよう染みついている」と言う。大技に頼らずとも、よどみのないムーブ、引き出しの多さで圧倒する。競技人生の原点から磨き続けてきたスタイルが、大舞台でひときわ輝いた。(井上敬雄)

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