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ブレイキン初代女王の湯浅亜実「スポーツだろうが文化だろうが、やることは変えない」…貫いた自分らしい踊り

読売新聞 / 2024年8月10日 12時30分

ブレイキン女子で金メダルを獲得した湯浅亜実(9日、パリで)=松本拓也撮影

 【パリ=読売取材団】第33回夏季五輪パリ大会は第15日の9日、新競技のブレイキン(ブレイクダンス)は女子の湯浅亜実(25)(ダンサー名AMI)が初代女王に輝いた。

 決勝のバトルが終わり、表示されたスコアは3―0の完勝だった。新競技ブレイキンで初代女王に輝いた湯浅は、「五輪競技になり、多くの人にブレイキンの素晴らしさを伝えられたんじゃないかな」とはにかんだ。

 準決勝で最大の山場を迎えた。勢いのあるオランダの若手との対戦は、押され気味の展開に。「やるしかない」。最終第3ラウンド、あおむけで銃を撃つポーズを入れた独創的な動きで観客を沸かせ、競り勝った。本当は最後までとっておくつもりだった技を使ってしまうと、決勝を前に「楽しむしかない」と吹っ切れた。

 ギャング同士の抗争を平和的に解決する手段として始まったブレイキン。発祥スタイルを守り、常に相手を見て踊り、細かな動きにこだわる。時に相手を挑発する遊び心も好きで、「ブレイキンは文化」が信念だ。

 2018年に世界最高峰の国際大会で女子部門を制し、19年の第1回世界選手権を制覇。競技者としてもトップを走ってきた。初の五輪へ周囲の期待が高まるにつれ、逆に苦悩が深まった。「私の好きな文化が押しつぶされる」。自分の表現が細かく採点されることへの反発もあった。豪快な回転技でみせる若手が台頭すると、スタイルを変えて大技を入れようか悩んだ。

 昨年の世界選手権で惨敗し、目が覚めた。「スポーツだろうが、文化だろうが、やることは変えない」

 決勝で、技一つひとつの形にこだわり、流れるように踊る美学は、審判にもコンコルド広場の観衆にも伝わった。「自分らしさを出せた」。文化や競技の枠にとらわれず、自分らしく踊った「頑固者」の胸に金メダルが輝いた。(井上敬雄)

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