レスリング女子７６キロ級、鏡優翔が準決勝に進出…日本女子最重量級で初の「金」へ近づく

女子７６キロ級の初戦でエクアドルの選手（右）に勝利した鏡優翔（１０日）＝関口寛人撮影

　パリオリンピックのレスリングは１０日、女子７６キロ級が行われ、昨年の世界選手権金メダルで初出場の鏡 優翔 (ゆうか)（２２）（サントリー）が１回戦でエクアドル選手を、２回戦で２０２２年の世界選手権「金」のヤセミン・アダルイギト（トルコ）を退け、同日の準決勝（日本時間１１日未明）に進出した。

　１回戦、鏡は初のオリンピックだったが笑顔で入場。エクアドル選手と組み合うなかでコンタクトがずれたのか一時中断するハプニングもあったが、まず１点先制。第２ピリオドも緊迫の攻防となったが、相手の右足を取って場外へ追いやり加点、２－０で競り勝った。２回戦の第１ピリオド、アダルイギトが投げ技に来たところから背後を取るなどしていったん３点入ったが、認められず１点のみ。第２ピリオド、鏡は開始直後の鋭いタックルから背後を取り今度は２点をきっちり加え３―０。そのまま、しのぎきった。

　昨年９月の世界選手権に優勝しパリ切符をたぐりよせた。女子最重量級で世界の頂点に立ったのは２００３年の浜口京子（当時は７２キロ級）以来、２０年ぶりだった。先輩選手らが苦しんだ壁を乗り越え、「重量級は勝てないと言われ続けて、そんなの絶対に取っ払ってやろうと思ってきた。たくさんの重量級の選手の思いを背負って頑張った」と胸を張った。一方で今年５月に右膝を痛めており懸念材料もあった。

　日本女子最重量級で初となるオリンピック金メダルに手をかけられるか。