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鈴木が上りでロス少なく先頭集団に追いつく[武井隆次の目]

読売新聞 / 2024年8月11日 16時6分

 パリオリンピックは最終日の11日、陸上の女子マラソンが始まり、中盤に2度の急坂があるなど、五輪史上最もタフと言われるコースで競われる。日本記録保持者の前田穂南(天満屋)が右大腿骨疲労骨折のため欠場することが10日に発表され、前回東京オリンピック8位の一山麻緒(資生堂)と五輪初出場の鈴木優花(第一生命グループ)が難コースに挑む。熱戦を、早稲田大時代に箱根駅伝で活躍し、2002年アジア大会男子マラソン銅メダリストの武井隆次さんが解説する。

鈴木が16キロ過ぎに先頭集団に追いつく

 8~9キロ付近、4人が前に出て大きな集団を引っ張る形に。前日の男子は1人だけが飛び出したが、1人だけなら「行かせてしまえ」という感じだが、複数の選手が飛び出すと「追いつかなくてはいけない」という警戒心が強まり、後ろの集団のペースが上がる。その通り、5~10キロのラップが17分10秒で、ペースが少し上がった。

 12キロ過ぎ、長い坂が始まる前だが、飛び出したフランス選手を追いあげたジェプチルチル(東京五輪金メダル)に引っ張られる形でペースが上がった。10数人の先頭集団には有力選手が入っており、あまり離されたくはないところ。

 ただ、レースはまだ前半。急な上げ下げは力を使う。長い上りが始まった15キロ通過で鈴木は先頭から14秒差。そこから16キロ手前で先頭集団に追いついた。上りに強い選手だ。

 集団の中では、早い段階からペースを上げていたライバルたちよりも、後から短い距離で加わった鈴木のロスが少ない。急激なペース変化に加わるのを避けて、自分の得意なポイントになるのを待っていたのだろう。

たけい・りゅうじ 1971年生まれ。東京・国学院久我山高で高校初の5000メートル13分台をマーク。早大時代は箱根駅伝で4年連続区間賞(1区、1区、4区、7区)、うち3度が区間新記録で、同期の花田勝彦、櫛部静二と並び「三羽がらす」と呼ばれた。卒業後はエスビー食品で2002年びわ湖毎日マラソンを2時間8分35秒で優勝。02年アジア大会男子マラソン銅メダル。引退後はエスビー食品のコーチ、監督を歴任。現在は「したまちアスリートクラブ」の監督として小、中学生を中心とした後進ランナーの指導にあたっている。

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