神村学園 ２年生臆さず

７回神村学園、今岡が勝ち越しの適時３塁打を放つ（捕手・羽根）＝宇那木健一撮影

　第１０６回全国高校野球大会第４日の１０日、１日に４試合が実施される日程がスタートし、１回戦が行われた。中京大中京（愛知）は宮崎商（宮崎）に逆転勝利。神村学園（鹿児島）は木更津総合（千葉）に打ち勝ち、岡山学芸館（岡山）は聖カタリナ学園（愛媛）との接戦をものにした。掛川西（静岡）は日本航空（山梨）を破り、１９６４年以来６０年ぶりの夏１勝を挙げた。

神村学園８―５木更津総合

　神村学園が逆転勝ち。１点を追う七回、入来田、今岡の連続適時打など４本の長短打を集めて一挙４点を奪った。木更津総合は九回に１点を返す粘りを見せたが、及ばなかった。

７回連続適時打で逆転

　追いついた直後に勝ち越された。しぼみかけた反撃ムードも、思い切りの良さを持ち味とする神村学園の２年生スタメンコンビには関係なかった。

　七回。一死二塁で打席に入った２番入来田は「強い球を打つだけ」と気持ちを高めていた。２球目の浮いた直球を捉えると、打球は左中間二塁打となって、同点の走者を迎え入れた。

　続く今岡は、相手投手の代わりはなを捉えた。それまで無安打で２三振だったが、投手交代で気持ちが切り替わった。「もっと球を引きつけて自分のスイングをしよう」と、初球のスライダーをたたいて左中間へ勝ち越しの適時三塁打。「相手がリズムに乗る前に打てた」と喜んだ。

　２人について小田監督は「２年生は思い切ってプレーできる環境にある。３年生を勝たせるためには、下級生の力が絶対に必要」という。伸び伸びと、自分の力を発揮することだけに集中するから、勝負どころでの強さが生まれる。

　八回にも、入来田の適時二塁打で追加点。今岡は「上級生を差し置いて出場する以上は結果を出す。もっと打ちたい」と力を込めた。２年生がたたき出した終盤の３打点が、神村学園の底力を証明している。（古島弘章）

神村学園・小田監督「点を取られてもすぐに取り返して、相手に流れを渡さなかった。入来田、今岡は打つべきポイントで球を打てていた」

木更津総合　先発５失点

　木更津総合の先発千葉は、２度のリードを守り切れなかった。２点を勝ち越した直後の六回に連打を浴びて追いつかれ、自らの犠飛で１点を勝ち越した七回も、この試合初めて先頭打者に出塁を許したのをきっかけに同点とされ、イニング途中で降板した。千葉大会は登板５試合で１失点しか許さなかったが、この日は５失点。千葉は「守備のミスの後に踏ん張れなかったのが悔しい」と唇をかんだ。

木更津総合・五島監督「あまりミスをしない選手が失策してしまい、うちの野球ではなかった。千葉は相手打者の圧力を感じていただろうが、持ち味を出してくれた」