岡山学芸館 投げ勝った 精密制球 バント防ぐ

８回無失点と好投した岡山学芸館の沖田（１０日）＝大塚直樹撮影

　　第１０６回全国高校野球大会第４日の１０日、１日に４試合が実施される日程がスタートし、１回戦が行われた。中京大中京（愛知）は宮崎商（宮崎）に逆転勝利。神村学園（鹿児島）は木更津総合（千葉）に打ち勝ち、岡山学芸館（岡山）は聖カタリナ学園（愛媛）との接戦をものにした。掛川西（静岡）は日本航空（山梨）を破り、１９６４年以来６０年ぶりの夏１勝を挙げた。

岡山学芸館１―０聖カタリナ学園

　岡山学芸館が投手戦を制した。五回に安打と敵失などで好機を作り、高安の犠飛で先制。沖田、丹羽の零封リレーで逃げ切った。聖カタリナ学園は八回の好機を逸し、好投の有馬を援護できなかった。

　岡山学芸館の沖田には剛速球があるわけでもなく、身長１メートル７１と角度のある球を投げられるわけでもない。だから、制球で勝負する。

　「上からたたきつけるように打つ打者が多い」と低めに集め、アウトを重ねた。最大のピンチは八回。無死二塁で相手が試みたバントを捕飛に仕留める。さらに一死一、三塁からセーフティースクイズを仕掛けられたが、捕邪飛に抑えた。

　打ち取ったのは、いずれも外角直球。佐藤監督は「左打者にとって難しいコース。バントさせなかったのが全て」ときっちり投げきったエースをたたえた。

　中に空気が入った機具に乗り、不安定な状況で投球動作を繰り返して下半身を鍛えた。岡山大会では５試合で２２イニングを投げ、四死球ゼロ。この日も成果を発揮し、８回４安打無失点、１四球で勝利に貢献した。

　身長（１メートル７５）が自身と近い阪神・村上 頌樹 （しょうき）の「制球（の良さ）や強気の投球を尊敬している」と沖田。憧れの投手が上がるマウンドで躍動した。（豊嶋茉莉）

岡山学芸館・佐藤監督「序盤は相手投手に力負けし、なかなか点は入らないかなと思っていた。（中飛で生還した佐藤は）思い切って行ってくれた」

聖カタリナ　ミスに泣く

　聖カタリナ学園のエース有馬は開口一番、「悔しいです」と語った。１４０キロ超の直球を主体に、追い込んでからはスライダーで三振を奪う理想的な投球。五回に失策が絡んで１点を失ったが、八回途中で降板するまで追加点を許さなかった。自己最速という１４６キロを計測し、「いい投球もできたし、甲子園を楽しむことができた」と締めくくった。

聖カタリナ学園・浮田監督「八回の（好機での）二つのバントミスが響いた。有馬は最高の投球をしてくれた」