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玉井陸斗、5本目失敗「逆に面白い展開」と6本目で会心の演技…高いジャンプと入水のキレで「銀」

読売新聞 / 2024年8月11日 0時56分

男子高飛び込みで銀メダルを獲得した玉井陸斗(10日、サンドニで)=原田拓未撮影

 パリオリンピックの飛び込みは10日、男子高飛び込みの決勝(12人)が行われ、玉井陸斗(17)(JSS宝塚)が合計507・65点で2位となり、日本飛び込み勢初のメダルを銀で飾った。

 17歳の高校生が歴史の扉を開いた。男子高飛び込みで銀メダルを獲得した玉井陸斗選手。堂々とした演技で、飛び込みの日本勢で初の快挙を成し遂げた。「最高ですね。今までで一番うれしいメダルです」と、とびきりの笑顔を見せた。

 体験教室に参加したのがきっかけで、兵庫県宝塚市のJSS宝塚で小学1年から飛び込みを始めた。元飛び込みの選手で、1964年の東京五輪などに出場した馬淵かの子さん(86)が基礎をたたき込んだ。

 水中に飛び込むことを全く怖がらず、天性のジャンプ力やバランス感覚、地道に鍛錬できる真面目さで、才能を開花させた。かの子さんは「飛び込みで自分を表現できた。明らかに他の子とは違った」と明かす。

 その後、夏季五輪に6回出場した寺内健さん(44)らを育てた馬淵崇英コーチ(60)の指導を受けた。小学4年から、本場・中国での長期合宿を繰り返し、技術を学んだ。2019年9月、日本選手権を最年少の13歳で優勝して注目を集めた。

 14歳で出場した東京五輪は7位。やるべき事を精いっぱいこなした結果だった。「五輪にしかない重圧を味わうことで、緊張感にのまれない方法をつかめた」と糧にした。3年後を見据えて、持ち味である高いジャンプや入水のキレを磨いた。

 パリ五輪が近づくにつれ、練習に熱が入った。飛び込むたびに録画した映像を確認。体への負担を心配して周囲が止めても納得できるまで飛び続けた。崇英コーチは「パリでの勝負を意識し、細部にこだわるようになった」と感じていた。

 玉井選手は、5本目を失敗して順位を落としたが、落ち着いていた。「逆に面白い展開になったんじゃないか。みんなの夢をつかみにいこう」。最後の6本目で、会心の演技を見せた。大歓声に包まれてプールから上がると、笑顔でガッツポーズをし、崇英コーチと抱き合った。

 まだ高校3年生。パリは栄光への通過点に過ぎない。「プレッシャーも増えてくると思うが、注目されることすらパワーに変えていきたいと思う」と言い切った。(高木文一)

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